びぶりおふぃりあ  ブックレビューとオススメの海外ドラマ・映画のあらすじと感想。顔面血管腫(赤アザ)カバーメイク体験談

ガルシア・マルケス

ここでは、「ガルシア・マルケス」 に関する記事を紹介しています。
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オススメ度:☆☆☆☆☆
オススメ対象:心理描写に食傷した人に

百年の孤独
百年の孤独Gabriel Garc´ia M´arques 鼓 直

新潮社 1999-08
売り上げランキング : 64102

おすすめ平均 star
star要約不能な不思議な魅力
star物語に「引きずり込まれる」
star暴力と言っても良い程の力のある小説

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純文学、と呼ばれるものに欠かせないと思っていたもの、心理描写や情緒の表現。その退屈を打ち破ったのが「百年の孤独」だった。
情緒と情熱は違うものだと教えてくれたのも。
渇いた情熱、怒涛のように押し寄せる出来事。それはドラマティックというのとも違う。ドラマにはその場がある律のもとに支配されているという前提があり、登場人物達は視点は違ってもひとつのドラマを目撃することになる。そして、「百年の孤独」の登場人物たちブエンディア一族の者たちは、互いのドラマに基本的にかかわりを持たないのだ。それが彼らの「孤独」だ。その孤独すら、私が想像する孤独とは違っている。私が想像する、一人きりの暮らし、愛されることも、愛することもない日常、そんなものとは。
ねちっこい心理描写がないために、登場人物への共感もまた、ない。その軽さを物語としてかろうじてつなぎとめるのは、ブエンディア一族の世代の中で繰り返される似たようなエピソード、似たような気質だ。
誰かに伝えるにはパラパラしすぎていて、思い返すにはクルクルしすぎていて、それなのに、読み返してみると、隠蔽された大虐殺や、あるとき風が吹いて突如土埃と瓦礫の廃墟となってしまう町の物語に自分がどれだけ影響を受けたか思い知らされた。それはその後私が繰り返し書こうとしたモチーフだった。そして再現したかったのは、大虐殺や廃墟ではなく、それらの出現の仕方のあっさりとあざやかな衝撃に他ならない。


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オススメ度:☆☆☆☆☆
オススメ対象:肉体を走り抜けていきたい人へ
オススメポイント:美しい幻想

4480022775エレンディラ
ガブリエル ガルシア・マルケス 鼓 直 木村 栄一

筑摩書房 1988-12
売り上げランキング : 6,379
おすすめ平均

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短編集。どの話も良いが、短編集タイトルとなっている
「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」
は特に素晴らしい。
美しい少女エレンディラは祖母と二人暮し、お屋敷に住むお嬢様だ。支配的な祖母の命じるままに家事労働をこなす彼女はある日、疲れのために失火、全財産を失ってしまう。
祖母はエレンディラをベッドに鎖で繋ぎ客を取らせてその損を回収しようとする。
ガルシア・マルケスの肉体が単なる物体にされてしまう感覚が好きだ。その摂理のもと、彼の美しい幻想は目に見え肌に触れるものとなる。そこでは緑の血の流れる祖母の夢遊に明かされる過去の禍々しさも、テントの外に長蛇の列を成す男たちに下腹がなぐられたようになるまで犯されるエレンディラも、おとぎばなしのように輝く。トルマリン、アメジスト、トパーズ。
最後には、彼女を愛する男によってエレンディラは自由を手に入れる。
めでたしめでたし?
まさか。
エレンディラは自分のために殺人すら犯した男のことを置き去りにして、何にも引き止められず振り返らず走っていったのだ。
彼女は走る、どこまでも、どこまでも。
自由、自由、自由。

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