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ショーペンハウアー

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オススメ度:☆☆☆☆☆
オススメ対象:生あるもの
オススメポイント:僕は、僕は、僕は生きたい!

自殺について 他四篇自殺について 他四篇
ショウペンハウエル Arthur Schopenhauer 斎藤 信治

岩波書店 1979-01
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ショーペンハウアーは、熱い。
厭世主義だとか、冷徹だとか、私は一度もそんなふうに感じたことがない。
ゲーテに認められた程の文学的才に語られる哲学は鋭く真理を突く、だけでなくロマンティックだ。
哲学書についての感想、は難しい。私もこのうすっぺらい、主著「意志と表象としての世界」の補遺だけでも理解し切れていない部分が多くある。のみならず、哲学書について語ることは小説のように一冊の本の中に封じ込められたひとつの世界について語ればいいというものではなく、その本の外側にある全世界について語らなければならなくなる、ということが言えるだろう。にわかじこみの用語やこなれていない引用でなしに、自分なりにそれを言うことが、もっとできるようになればと切望しているのだがなかなか叶わない。

けれど彼の哲学の根底をなしているもの、それは我々現代人がいまだ抱いているちぎれるほどの思いだと言い切れる。
我々はなぜ死なねばならぬのか、なぜ我々が死んでも世界は続いていくのか。
私たちの解放された自我。解放されてはならなかった自我。それはもはや至上の位置を確立してしまっているのに、なぜその消滅がありうるのか。

「我々の真実の本質は死によって破壊せられえないものであるという教説によせて」の8.余興としての小対話篇は彼の論理をわかりやすく説明している。
トラシュマコス:「僕は、僕は、僕は生きたいのだ!これこそは僕の切なる願望だ。理屈で以って漸くそれは僕のものだという風に納得させられねばならぬような現存在などは、僕にはどうでもいいのだ」」
フィルラートス:「だがねえ、ようく考えて見給えよ!「僕は、僕は、僕は生きたい」と君は叫ぶけれど、そんな風に叫んでいるのはなにも君だけではないのだ。むしろすべてのものが、意識のほんのかすかな影だけでももちあわしているものであれば文字通りにすべてのものが、そう叫んでいるのだ」

ショーペンハウアーのロマンチックな発熱は、そこから”私”を”我々”に雪崩れ込ませるところだ。すなわち、生を得てやがて死んでいく”我々”は単に間接的にだけ個体であるにすぎず、つまり死すらかりそめのもの、”我々”は「生きたい」という意志のもとひとつであり、生きたいという盲目の意志として”我々”は永遠に存在し続けるのだ、と断言しきる情熱なのだ。


生きたい、私は生きたい。私も、そう叫んでいる。

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