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ジャン・コクトー

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オススメ度:☆☆☆☆★
オススメ対象:恋する人へ
オススメポイント:ふたりのジャン
ジャン・マレーへの手紙
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ジャン・コクトーが恋人ジャン・マレーに二十五年の歳月書き綴った書簡集。
出てくる名前がとにかくすごいのだ。身近な友人として、同居人や仕事仲間として登場するファーストネーム、ラストネームが、その名前で私が知っている唯一の人そのものなのだ。つまり、ピアフといえばエディット・ピアフだし、ココといえばココ・シャネル。ブルトンといえばアンドレ・ブルトン。ピカソはパブロ・ピカソだ、もちろん。
二人のジャン。出会ったとき、コクトーは詩人・劇作家・小説家・映画監督として時代の寵児。マレー美貌の無名の役者。年齢差24歳。男性同士。
しかしそのスキャンダラスな境遇は他の恋人たち同様愛し合う二人の間では全く問題ではなかった。これらの膨大な手紙からそれが読み取れる。
第二次大戦中、若きジャン・マレーは召集される。コクトーが戦地へ繰り返し書いた手紙は素直で率直な心情に満ちている。どうか決して勇敢になどならないでほしい。忘れないで、僕の命は君につながっている、お願いだからナチスを恐れて。
時代の足音が鳴り響く。時世に作品が受け入れられず、戦意を高揚させるような作品がもてはやされていることへの不安。劇場を泣く泣く閉鎖したこと。自分のように全く政治的でない作家が政治を語らずにいられないような時代の流れ。台頭する全体主義。しかし、とジャン・コクトーは語る。いつかまた自分たちの時代が必ず来る。そしたらまたいっしょに仕事をしよう。その日を信じて自分は書き続ける。来るべきその時代、そこではもっとも大切なものは心だ。
そして彼らの時代はやってきて、今も残る名作、オルフェや美女と野獣が制作されることになる。
何よりも感動的なのは、ジャン・マレー自身が前書きで自慢しているように、それらがいささかも文学ではなく、ただ平明でストレートな手紙であるということだ。ひとりの詩人が真実の愛の前で虚飾を捨て謙虚になる姿は深い共感を呼ぶ。戦時の混乱で手紙が届かぬことに苦悩し、恋人の安否を思って泣く。
「僕のジャン、愛ゆえに狂った男に寛容を示してください。僕は決めたのです、この狂気からさめないことを、けっして正気に戻らぬことを」
ジャン・コクトーは1963年に死去。ジャン・マレーは1998年まで生きた。その生涯においてコクトーを超える作品に出会うことはなかったが、コクトーと成し遂げた業績は今も色褪せない。


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