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ドゥ・マゴ賞

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オススメ度:☆☆☆☆★

O嬢の物語 (河出文庫)
O嬢の物語 (河出文庫)ポーリーヌ・レアージュ

おすすめ平均
stars見事な訳文です。
stars美しい・・・
stars自問自答しながら。
stars魔性の名作
stars蒼白い美しさ

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「これをエロ小説だと思って買ったおじさんはがっかりするだろうね。何が行われているのか、ちょっと考えないとわからない。」
最初の数ページを読んでみて、彼が言った。
たしかに、今のセックス市場のあからさまさから考えると、O嬢の物語の表現は一見婉曲に見える。が、その数ページを超えればそう思わなくなるだろう。
単純な言葉の置き換えで、何が行われているかはわかるようになるからだ。
下腹、とは女性器のこと、器官、とは男性器、腰、とは肛門のこと。口、は、口のままで差し支えない。

O嬢の物語は、フランスの匿名の作家ポーリーヌ・レアージュによって1954年に出版され、前衛作品の権威ドゥ・マゴ賞 (Prix des Deux Magots)を受賞した。
ファッションカメラマンで、自由な職業婦人であるOという女が秘密のサロンで鎖に繋がれ性的な奴隷とされ、鞭と多勢の男性による陵辱によってどこまでも男性に服従、奉仕するよう調教されていく。

物語は4つの部に分かれている。

Ⅰ ロワッシーの恋人たち
Oは恋人ルネに連れられてある館に連れ込まれる。そこで彼女は乳房を前に突き出して露出するドレスを着用させられ、鎖に繋がれ、複数の男に全身の穴を使用される。
彼女に下された命令は、「絶対に唇を閉じ合わさないこと、絶対に膝を閉じあわさないこと」
ルネの目的は、彼女を理想の女に仕立て上げることだった。

Ⅱ ステファン卿
出来よく仕上がったOを、ルネは義兄弟ステファン卿に譲り渡す。
ルネが自分に興味を失ったのではないかと不安を覚えながらも、ステファン卿によって鞭打たれアナルファックを教え込まれたOの心は、それを望みながら実行に移せなかったルネからステファン卿に移って行く。

Ⅲ アンヌ・マリーと鉄輪
ステファン卿はアンヌ・マリーという女にOを預ける。アンヌ・マリーによって、Oのウエストは極限まで細く矯正され、女性器は外側の部分に穴をあけられ持ち主であるステファン卿の名前の穿たれたプレートのぶら下がった重い鉄の輪を取り付けられ、尻は熱いかなてこでステファン卿のイニシャルを烙印される。

Ⅳ ふくろう
ふくろうのマスクで頭をすっぽり覆い、他は素っ裸で、全身を脱毛され、Oは秘密サロンの男女が集うパーティーに連れて行かれる。局部の鉄輪に鎖を繋がれ、犬のように曳いていかれる。皆は彼女を好奇の目で眺め、彼女の体がどうなっているのかをさんざん見物する。もはや彼女は人としては扱われないのだ。

奴隷にも、下男にも、主人にも、卑しさがないため扇情的とは言いがたい。Ⅱステファン卿以降はますますそれが強くなるだろう。行為がエスカレートしすぎると、性欲から離れてしまう。なぜ?!と疑問が沸くといっぺんに理性のスイッチが入ってしまうのだ。それに、これは小説においてだけでなく現実においてもそうだが、あまりドラマが多いと、人はエロティックな気持ちになりにくいもののように思う。展開はドラマによってではなく、例えば調教される奴隷が抵抗を解いて屈服する、というような心理および関係性の変化によってなされるべきなのだろう。あるいは恐怖や衝撃などによって。性的な興奮を呼ぶためには。
しかし、長期的な目で見れば、こういったオナニー用とは言えないエロティックな文学作品が読者の性に与える影響は大きいだろう。
SMとはある約束であり、美学である。
マゾヒズムの激しいナルシシズムを原動力に、サディズムの超越した献身に導かれ、もうひとつの社会、もうひとつの秩序を構築する。人間の性は社会的だ。地位、上下関係などの社会がなければ、もしくはその社会の逆転、またはその社会からの逃避、そのいずれかなしには満足できない。
人間は変態なのだ。


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