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ハンス・シュトルテ

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オススメ度:☆☆★★★
オススメ対象:山より暖炉
丹沢夜話丹沢夜話
ハンス・シュトルテ

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三月二十一日に、丹沢に登った。
山に登ろう、と誘ってくれたのは、仕事で常駐している客先の社長だった。私がよく歩いているのを知って声をかけてくれたのだけれど、それが現実になったのは、彼が”丹沢”を勧めたためだと思う。
丹沢はいつも、見ていた。多摩に住んでいれば、雪を被った富士の手前に連なっている青々とした山々は目に親しい。丹沢連峰である。
いつか、と思いながらなかなか機会がなかった。
ヤビツ峠から入り二の搭、三の搭を越えて搭の岳を目指す(表尾根縦走)コースはガイドブックによると「簡単な岩場の登り下りや岩歩きの初歩的テクニックを必要とするケース、または筋力的・体力的な日常の訓練なしには昇るべきでない初級者の上レベル」というランクに設定されたコースだった。
確かに二の搭への登りは長くきつく、その後表尾根に入ってからもアップダウンがあり、道も日向はずるずるとぬかるんで歩き辛い。テクニックよりも体力の要るコースだと思う。
山登りはめったにしないけれど、決して嫌いではない。黙々とするものは意外と好きなのだ。黙って右足と左足を動かして、それがキツイのが、良い。そういうときに考えることって、校長先生が朝礼で喋るようなことだったりして、終わったあとには誰にもいえないんだけど。継続は力なり、とかさ。
長い長い勾配を上りながら思うことは、上をぜったいみないこと、うつむいてただ次の一歩だけを考えて、小刻みに、けして休まないこと。これは子供の頃からピアノを習い続けた日々と似ていて、大事なのは、けして練習を休まないこと、休む理由を見つけるのは簡単だけれど、確かなのは、休んだらおしまいで、もう続けられないということ。続けるというのは、ただ休まないってだけの単純なこと。
往復同じ道を帰るのは辛いな。実際の復路は想像よりも往路とは雰囲気が違っていて、案外歩けてしまうものなのだけれども。でも「この道を帰るのか」と思いながら行く往路は、ツラクキビシイ。初めての道だからやりきれるって思う。もし人生が一方通行じゃなくて往復だったら、半分できっと死んでしまう。少なくとも往路はそのつもりで乗り切る。折り返しで自殺する、って決めなきゃ、たぶん、進めない。

・・・ほら、私、なに人生とか考えてんの?

そんな脳みそを揺らしながら意志から切り離された視線は、顎をつたう汗がせこせこ前進する自分の影に落ちて弾けるのを、見ている。

もちろん、丹沢はそんなハードな山じゃない。慣れた人にはピクニックのように登れる山だろう。「丹沢夜話」の著者ハンス・シュトルテは栄光学園の教師であり山岳部の顧問であったドイツ人だ。このエッセイには丹沢への愛情が溢れている。エッセイの著者には趣味・こだわりがないと味がないが、同時にどこか寛容で磊落でなければならないと思う。彼はそれを持ち合わせた上に、体力があり身軽なのだろう、登山の苦労話も常に軽々と書かれているのが魅力だ。
実際の登山はそうも行かないのだけれど、山歩きに慣れた視点を気軽に楽しんでみたいなら、こんな本も良いだろう。
登山靴買うより、安いんだしね。

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