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ブルセラ

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オススメ度:☆☆★★★

蒲団・重右衛門の最後 (新潮文庫)
蒲団・重右衛門の最後 (新潮文庫)田山 花袋

新潮社 1952-03
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おすすめ平均 star
starこの時代に恋愛小説として読んだ場合
star読んでみると
star日本人の性に対する感覚の遍歴 その明治編

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あらすじ:
中年の文学者である主人公(田山花袋)は三人の子供を産んだ妻に飽きており、ちょうど入門したばかりの若く美しい女弟子に懸想する。そして女弟子の恋愛に嫉妬したあげくに親に言いつけ仲を引き裂いて女弟子を田舎に帰してしまう。


感想:


この中年男の気持ち悪いことといったら…。
三人目の子供を懐妊中の妻が難産で死んだら女弟子を後釜に据えられるかなぁと夢想したり、
恋人と寝た女弟子をふしだらだと責めながら内心「もうキズモノなんだから自分の妾にしやすいかもしれない」と妄想したり、
果ては女弟子が下宿中に使っていた蒲団の襟の特に汚れたところの匂いを嗅いで泣くのである!!

田山花袋の作品が分類される日本の自然主義文学で、最も有名かつ今でも読まれているのは島崎藤村の『破戒』くらいのもので、同時代の耽美派・白樺派・余裕派と比較すると寂しいものである。

自然主義文学の日本における解釈が「恥ずかしい事実を自ら暴露すること」だったため、彼らは「文学」になりえなかったのかもしれない。

エミール・ゾラの提唱した「観察と客観」はもっと理知的なものだったのだが、この誤解といえる解釈を決定付けたのが田山花袋『蒲団』であった。
彼が弟子岡田美知代への心情を暴露したこの作品によって、自然主義文学は「事実の暴露」、もっと言ってしまえば「恥ずかしい事実の暴露」となってしまったのである。
 ※ 耽美派(谷崎潤一郎・永井荷風)・白樺派(武者小路実篤・志賀直哉・有島武雄)・余裕派(夏目漱石・森鴎外)

『蒲団』は、時代が今であれば、セクハラ・パワハラで有罪になるであろう、女弟子への卑しい妄執の告白である。

あらすじにも書いたように、主人公(田山花袋)は妻に飽きて女弟子に執着するようになり、彼女の恋愛の邪魔をする。男が未熟であることが口実だが、実は男が女弟子が男と純愛でなく肉体関係があったと知ってカッとしたのである。

先生、こんなこと黙っておけばいいのに。

こういうことを書くことに価値があった時代があったのだなあ、と感心。


蒲団・重右衛門の最後 (新潮文庫)蒲団・重右衛門の最後 (新潮文庫)
田山 花袋

田舎教師 (新潮文庫) 武蔵野 (新潮文庫) 浮雲 (新潮文庫) 破戒 (新潮文庫) 暗夜行路 (新潮文庫)

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