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ミザリー

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オススメ度:☆☆☆☆☆
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ミザリー(特別編) [DVD]
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2008-11-28
評価

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by G-Tools , 2012/07/04


あらすじ:


大ヒットとなったロマンス小説ミザリーシリーズの作者であることにうんざりしているポール・シェルダンはミザリーの死でシリーズを完結、雪のコロラド州のロッジでやまごもりをして新作を書きあげ、車でニューヨークを目指す。しかしその途中吹雪にあって車は崖を転落、彼を助け出したのは「ナンバーワンの読者」を名乗るミザリーの熱狂的ファン、アニー・ウィルクスだった。精神を病むアニーは憧れの作家を病院には運ばず、彼女が一人で暮らす人里離れた農場へと拉致する。ポール・シェルダンを待っていたのは監禁されアニーの思い通りの小説を書かされる日々だった。


キャスト:


ジェームズ・カーン Paul_Sheldon
キャシー・ベイツ Annie_Wilkes
リチャード・ファーンズワース Buster
フランセス・スターンハーゲン Virgimia
ローレン・バコール Marcia
キャシー・ベイツはアカデミー主演女優賞とゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞



感想:


原作と違う点、考えてみるとけっこうありますよね。

・バスターとバージミアという保安官夫妻が登場し、謎を解いてアニーに迫る

・ポール・シェルダンの足の状態
映画ではポール・シェルダンの足はいったん回復を見せ、
アニーはポール・シェルダンが元気になって去ってしまうことを懸念します。
そして足萎えにされるところでも、骨折で済んだようで後に杖をついているとはいえ
自分で歩いています。
原作ではポール・シェルダンの足がどんな状態なのか本人にもよくわからず、
つぶれて岩のような塊になっていると書かれていたと思います。
また足萎えは斧での切断です。
映画化には耐えられない残酷さだったのでしょうね。
でもそういう残酷さが得意なのがスティーブン・キングですよね。

・アニーは清潔そう
 原作ではもっとアニーは不潔そうな描かれ方をしていましたが、
 キャシー・ベイツはおばさん体型とださい服でも美人だし髪もつやつやで
 耳垢が詰まっている様子も人工呼吸の息が臭い様子もありませんでした。

・舞台はコロラド州サイドワインダーからコロラド州シルヴァー・クリークに変更


でも最大の違いは何と言っても、

・ミザリーの小説の世界がまったく描かれてない

 これですよね!

 原作では小説中の小説として登場し、なかなかおもしろかったのですが、
 映画ではこれを省略したことが成功の鍵となったと思います。
 映画なのに朗読や文章で見せたのではつまらなくなるし、
 劇中劇のようにミザリー(やジェフリーやイアン)に誰か俳優をあてて演じさせると
 悪目立ちしますよね。



これだけ違うのに「確かにミザリーの映画だった!」って感じる、すごく良い映画化の例でした。


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オススメ度:☆☆☆☆☆
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ミザリー (文春文庫)
スティーヴン キング Stephen King
文藝春秋 2008-08-05
評価

シャイニング〈下〉 (文春文庫) スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫) ゴールデンボーイ―恐怖の四季 春夏編 (新潮文庫) IT〈1〉 (文春文庫) スケルトン・クルー〈1〉骸骨乗組員 (扶桑社ミステリー)

by G-Tools , 2012/06/19


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ミザリー (文春文庫)
スティーヴン キング Stephen King
文藝春秋 2008-08-05
評価

by G-Tools , 2012/06/19



あらすじ:


ミザリーを主人公としたシリーズものの小説で絶大な人気を誇るポール・シェルダンは交通事故で下半身不随となったところをアニー・ウィルクスに助け出される。ポールの熱狂的ファンだったアニーは精神を病んでおり、彼を人里離れた自宅に監禁して小説を書かせる。やがてポールは彼女が単に頭のいかれたファンではなく、10代の頃から殺人を繰り返してきたシリアルキラーだということを知るのだった。



感想:


小説家の全てが詰め込まれた作品。
小説作法、小説家とファン、批評家、純文学と大衆文学、読むことへの欲求、表現のカタルシス…
これらをホラーという形で最高に面白く書きあげている傑作。

「ミザリー」がタイトルになっていることも絶妙。
ポールを閉じ込める異常犯罪者はアニーだけれど、本を閉じると彼女の名前が「ミザリー」だったような気がして、よく間違える。この間違いのたびにちょっとぞくりとする。背表紙だけで、いや、タイトルだけで怖い。

監禁生活はもちろん絶対ごめんだけれど、「ミザリー」では奇妙な生活感が良く表されていて、まるでその場にいたかのように「生き生きと」感じられる。アニーは50センチくらいしか離れていない隣に座っている気がするし、ペンギンの置物もさっき玄関から戻って来た時に見たような気がする。

単に生活をうまく描写しているだけでなく、その細部に「喜び」が表現されているからだろう。
そしてその「喜び」の源は、ポールがのめり込んで小説を書いていること、そしてそれが思いもかけぬ傑作となっていることにあるのはもちろんだ。
アラビアンナイトを語るシェエラザードのように、ポールは小説を書き続けることでアニーに生かされているし、彼女に対してある種のパワーを持っている。
ただ足を失って薬漬けにされ監禁されるというだけでは陰惨だが(陰惨では済まないショッキングな場面もふんだんにある)、ポールの才能によって、この状況が明るく、楽しくすらある。

何度も読み返したくなるのはホラーの部分だけではなく、小説中の小説「ミザリーの生還」とこの小説「ミザリー」が二重に傑作を作りだす絶妙なストーリーテリングによるものだ。

ファン心理の恐ろしさとして頻繁に引き合いに出され、読んだことがなくてもなんとなくあらすじを知っている人も多い「ミザリー」。
単なるホラーの域を超えた、スティーブン・キング出色の作。

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ミザリー (文春文庫)
スティーヴン キング Stephen King
文藝春秋 2008-08-05
評価

シャイニング〈下〉 (文春文庫) スタンド・バイ・ミー―恐怖の四季 秋冬編 (新潮文庫) ゴールデンボーイ―恐怖の四季 春夏編 (新潮文庫) IT〈1〉 (文春文庫) スケルトン・クルー〈1〉骸骨乗組員 (扶桑社ミステリー)

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