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児童虐待

ここでは、「児童虐待」 に関する記事を紹介しています。
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子どものトラウマ (講談社現代新書)
西澤 哲
講談社 1997-10-20
評価

子ども虐待 (講談社現代新書) 子ども虐待という第四の発達障害 (学研のヒューマンケアブックス) 児童虐待―現場からの提言 (岩波新書) 子どもの虐待―子どもと家族への治療的アプローチ 子どもへの性的虐待 (岩波新書)

by G-Tools , 2012/06/17



あらすじ・概要:


身体の傷は治っても 心の傷は消えない。
人格を、ときには人生さえ支配してしまうトラウマとは何か。
第一線での臨床活動をふまえて「子どもの虐待」の問題をとらえなおし、傷ついた子と親の心の回復を説く。
                                        (表紙より)


目次:


第一章 子どもの虐待を考える
  1 虐待とは何か
  2 「虐待」という言葉は何を意味するのか
  3 虐待の四つのタイプ

第二章 トラウマとしての虐待
  1 トラウマとは何か
  2 精神医学とはトラウマをどのようにとらえてきたか

第三章 虐待のトラウマと子ども
  1 虐待を受けた子どもはトラウマを抱えて生きていく
  2 トラウマは「自己」にどのように影響するか
  3 失われる「自己」  トラウマと解離性障害

第四章 子どもを傷つけてしまう親たち  虐待を生じるトラウマ
  1 どのような親が子どもを傷つけるのか
  2 子育てに悩む親たち
  3 親たちのトラウマ

第五章 トラウマが癒えるということ
  1 トラウマを癒す三つのR
  2 傷ついた子どもの心を癒す
  3 トラウマを抱えたまま大人になった心をいかに癒すか



感想:


『子育てについて親が知りたいこと』に納得いく説明をしてる本。
虐待したりしない親でも、この本を読めば子育てのクオリティが必ず上がる。
子どもにとっても良い結果がでるし、親自身の心にとっても良い影響がある。
子育てする人全員に勧めたい本。

児童虐待という概念はアメリカ発祥のものだが、児童虐待の英語 'child abuse' は「子どもの乱用」と訳すのがふさわしいそうだ。
薬物乱用やアルコール乱用はそれぞれ 'drug abuse' , 'alcohl abuse' 。

ここでいう乱用とは、子どもの存在あるいは子どもとの関係を、親が子どものためではなく自分のために利用することを意味している。
子どもと養育者の大人との関係の土台には、子供の欲求が存在する。大人が子どもの健康的な成長を考えて、その欲求に応じたり、あるいは制限を加えることが、親子関係の基礎となるのである。
一方で「乱用」とは、子どもの欲求や要求と無関係なところで、子どもとの関係を持とうとする場合に生じるものだ。そうした関係の背後、あるいは土台には、子どもの欲求ではなくて親自身の欲求が存在している。つまり、親が自分自身の欲求の満足を求めて子どもとかかわるとき、そこに「子どもの乱用」が発生することになる。



途中までは腑に落ちるんだけど、良く考えると新たな疑問が生じてきた。
子どもが可愛いと感じて抱きしめるのも親の欲求だと思うけど、それは乱用なのかな??

しばらく考えてみた。

そして出した結論。

その1
子どもが可愛いと感じて抱きしめる、その前に、子どもが抱きしめられたいと(積極的にではなかったにせよ)思っているか、子どもとの間にそういう関係が築けていて、かつ状況や気分がそれを受け容れるものなのか、ちらっと考える必要がある。嫌がられたらやめる。
(付き合いはじめの恋人にそうするように)

その2
自分が多少疲れていたり忙しかったり気分じゃなかったりしても、子どもが抱きしめらる必要があるときには、抱きしめてやらなければならない。


これが親の責任ってもんなんだな…
天使のように優しい子どもに甘えるのを我慢するのは、淋しいけどね。
でも子どもはそれだけの価値のあるものだから。

虐待の4つのタイプ
  身体的虐待
  ネグレクト
  性的虐待
  心理的虐待



このうち心理的虐待が一番気になる、という親は私だけではないと思う。
身体的虐待やネグレクト、性的虐待は白黒がはっきりしていると思うが、心理的虐待はグレーでわかりにくいからだ。

子どもを傷付けないで育てることのできる親など存在しない。どんなにすばらしい親でも、意図せず子どもを傷つけてしまうものである。では、子育てにはつきものの子どもを傷付けてしまう体験と、心理的虐待とは、どう違うのだろうか。
その違いは、子どもが「自分は親から愛されている」「自分は親にとって特別な存在だ」と思えているか否かにある。「親から愛されている」と思える子どもにとっては、親の子どもや態度によって傷付けられる体験をしても、それが心全体にダメージを与えることはない。その体験は、「愛されている」という確信に基づく安心感に吸収されることになる。しかし、心理的虐待の場合には、心理的な傷つき体験の繰り返しが、「愛されている」という基本的な安心感そのものを揺るがし、壊してしまっている。そういった子どもにとっては、親の何気ない言葉や態度が、重大なダメージを与えてしまう可能性がある。



児童虐待についての本は、とても実用的だ。
漫然と子育てしていても、多分子どもは育てられる。
でも、その中で感じる不安は測り知れない。子どもを愛していればいるだけ、責任を感じれば感じるだけ、不安になる。
特に初めての子育てはそうだ。
でも子どもにとって、不安な親よりも安定して幸せな親のほうが良いだろう。
そんな親なら、幸せな子ども時代を与え、更に幸せな人生のモデルとなることができる。
そのためには、コマーシャルやニュースなどの散り散りの情報の寄せ集めではなく、子育てについてちゃんと知識を持つ必要がある。
私はこういった本を読めば読むほど、子育てする気持ちに余裕ができる。私が幸せでいることが子どもにとって大切だと納得がいっているし、親と子という関係が祝福された素晴らしいものだと心の底から信じられる。
読めば読むほど、虐待からどんどん遠く離れていく。

それがとても嬉しい。

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子どものトラウマ (講談社現代新書)
西澤 哲
講談社 1997-10-20
評価

子ども虐待 (講談社現代新書) 子ども虐待という第四の発達障害 (学研のヒューマンケアブックス) 児童虐待―現場からの提言 (岩波新書) 子どもの虐待―子どもと家族への治療的アプローチ 子どもへの性的虐待 (岩波新書)

by G-Tools , 2012/06/17



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オススメ度:☆☆☆☆☆
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ルポ 児童虐待 (朝日新書)
朝日新聞 大阪本社編集局
朝日新聞出版 2008-07-11
評価

児童虐待―現場からの提言 (岩波新書) ネグレクト―育児放棄 真奈ちゃんはなぜ死んだか (小学館文庫) 誰か助けて 止まらない児童虐待 (リーダーズノート新書) 「生存者」と呼ばれる子どもたち  児童虐待を生き抜いて 子ども虐待 (講談社現代新書)

by G-Tools , 2012/06/10



あらすじ・概要:


本書は、2007年5月から08年3月まで全7部、計135回にわたって朝日新聞大阪本社発行番の社決めんで連載した「ルポ虐待」に一部加筆し、再構成したものです。
     (中略)
虐待には様々なケースがありますが、新聞連載でも本書でも、性的虐待は取りあげていません。被害者にアプローチしましたが、身体的虐待、精神的虐待、ネグレクト(養育放棄)とはまた違った問題をはらんでいて、取材も難しく、記事化には至りませんでした。引き続き取り組むべきテーマだと考えています。
                          (あとがきより)

感想:



読み応えがあってわかりやすく、児童虐待についての入門書として良書。
児童虐待と、それに関連した話題をまんべんなく扱っています。

私はTVやネットで児童虐待のニュースを目にすると、不安を感じます。
それは、わずかとはいえ自分の子育てに共感する部分があるから。

「どうしてこんなひどいことを」と思う反面、「でも、あり得る」とどこかで考えている自分がいて、ひやりとするのです。

そのわずかな共感する部分は、3つあります。

1つ目は、多忙で重労働である子育てのストレス。

2つ目は、親にとって、子供は非常に弱い立場でありながら同時に圧倒的に強い立場でもある。

3つ目は、子供は自分が愛されてると思い込む能力があって、助けを求めない。

この3つは子育てのブラックホールのように私には思えるのです。
暗くて見えない、でも抗いがたい吸引力。

ニュースなどで凶悪な児童虐待の背景の説明には、上記の3点が含まれていることが多くて、「暗くて見えない向こう側にあるものは、児童虐待なのだろうか…」と暗澹たる気持ちになります。

私自身、子供をたたくこともありますし、怒鳴ることもあります。しつけとしてやむなくという場合もありますし、そうすることでスッキリすることもあります。

どこまでが健全でどこからが虐待なのか、境界線はあるはずですが目に見えません。


私がこの本を読んでとても良かったのは、健全な子育てと虐待との境界が私なりにはっきりと見えたことです。

健全な子育てと虐待との境界には、2本の線があります。

1本目は、私が虐待をしているなら、私は絶対にそのことを自覚しているはずだ、ということです。
そうでないなら、虐待はしていないのです。

虐待をしている側は本人がちゃんと自覚があるんです。
「虐待なんかしてない。しつけをしていただけだ」
という言葉が沢山の児童虐待の事件で聴かれますが、それは児童相談所や警察や裁判所とかに直面したときに「子どもを取られたくない」「つかまりたくない」「罰せられたくない」ために対策や苦しい言い逃れをしているに過ぎず、実際は100%虐待している自覚があります。(精神が正常である場合)

2本目の線は、虐待されている子どもは必ず何か目に見える影響があるはずです。
傷や病気、挙動に絶対に現れるということです。


もちろん親の身勝手さや無神経さ、未熟さで子どもは傷付きます。
できるだけ少なくし、理想の子育てに近付けていきたいと思います。でもそれを虐待に繋がる芽として誤って捉えることが子どもにとって良い影響があるのかというと、私の場合は悪い影響しか出ないような気がするのです。

犯罪に繰り返し共感することはとても危険だと思います。
人間として共感できる部分はある、でも同じように人間としてどうしても相容れない部分もある。

相容れない部分に注目することで共感を断つ、私にとってその相容れない部分とは親本人の自覚と子どもの状態でした。

しっかり子育てできてる、子供は立派に育ってる、と自分で誇りに思えることが健全だと思います。

すごく気持ちが楽になり、肩の力が抜けました。





虐待の背景にあると考えられるリスク要因  (厚生労働省の「虐待対応の手引き」)
【保護者側】
   望まぬ妊娠
   自身の虐待された経験
   育児に対する不安やストレスなど

【子ども側】
   乳児期であること
   何らかの育てにくさを持っているなど

【養育環境】
    内縁者や同居人がいる家庭
    親族や地域社会から孤立した家庭
    経済不安や夫婦不和などのある家庭



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ルポ 児童虐待 (朝日新書)
朝日新聞 大阪本社編集局
朝日新聞出版 2008-07-11
評価

児童虐待―現場からの提言 (岩波新書) ネグレクト―育児放棄 真奈ちゃんはなぜ死んだか (小学館文庫) 誰か助けて 止まらない児童虐待 (リーダーズノート新書) 「生存者」と呼ばれる子どもたち  児童虐待を生き抜いて 子ども虐待 (講談社現代新書)

by G-Tools , 2012/06/10