びぶりおふぃりあ  ブックレビューとオススメの海外ドラマ・映画のあらすじと感想。顔面血管腫(赤アザ)カバーメイク体験談

恋愛

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オススメ度:☆☆☆☆☆
官能にはすきまがない 
恋 (新潮文庫)
恋 (新潮文庫)
おすすめ平均
stars★五つが最高評価であることが狂おしく思える
starsこれほど人の感情を色濃く描く作品はない!
stars倒錯でもなく奔放でもない人間の本性
stars冒頭の結論提示に驚く
stars心に残こってる・・・本です。

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一九九五年四月十九日。仙台市にあるカトリック教会で、矢野布美子の葬儀がとり行われた。



あらすじ・感想:


おどろくのが、ストーリー展開・主人公の心理のいちいちに滑稽さを感じないこと。しっくりきて、すきまがない。
デカダンスな生活と浅間山荘事件との対比、ミステリー仕立ての構成も素晴らしい。退屈な箇所が全く無いので、ぐいぐいと読み進んで長さを感じない。
ひとつひとつの感情に体温が感じられ、そこから立ち上る肌の匂いに、読みながら定期的にうっとりとため息をついてしまう。
「恋」というシンプルで強いタイトルから想像したのは全く違うストーリーで、一人の男と一人の女の純愛というものだったが、それとは全く違っている。殺人・近親相姦・不貞・三角関係。しかしそれでいてタイトルを裏切っていないのは、緻密な心理描写にいざなわれていっしょに恋をしてしまうからだろうか。

恋 (新潮文庫)恋 (新潮文庫)

欲望 (新潮文庫) 冬の伽藍 (講談社文庫) 浪漫的恋愛 (新潮文庫) 狂王の庭 (角川文庫) 蜜月 (新潮文庫)

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関連タグ : 小池真理子, 恋愛, 直木賞,

オススメ度:☆☆☆★★
人魚姫
4898152120清川 あさみ 金原 瑞人

リトル・モア 2007-06-26
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おすすめ平均star
star最高の贅沢
star完全に大人用です
star大人用

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「それから、王子の愛のことだが、あのひとがお前のことを誰よりも愛して、父親のことも母親のことも忘れてしまうほどお前を愛して、明けても暮れてもお前のことだけを愛して、もうお前と神の前で永遠に結ばれるしかない、というところまで愛さなければ、お前は人間の持っている魂というやつを手に入れることはできないよ。それがもしちがって、王子が他の女と結婚するようなことになったら、いいか、そのあくる朝、お前の心臓ははりさけ、お前は海の泡となってしまうんだよ」
「かまわないわ」
人魚姫は言いました。その顔は、死人のように青ざめていました。

男のことを思うとき、この魔女の言葉を思い出す。
あのひとが父親のことも母親のことも忘れてしまうほど、・・・。
たとえ結婚したといったって、男は父親のことも母親のことも忘れていない。
けれど女は青ざめて、自分の持っている一番美しいものをその愛を獲得するために差し出すのだ。
王子は人魚姫ではなく隣の国の王女と結婚してしまうけれど、それだって何も、父母祖国を捨て無我夢中というほどのことではない。ちょっとした人違いや若者らしい情熱はあっても、ふさわしい相手とふさわしくめぐり合い、皆に祝福されて結婚するのだ。
とても賢明なのだ。

それがどうだろう、モンタギュー家のロミオときたら。
さっきまで他の女の尻を追い掛け回していたというのに、あっというまに今度は仇敵キャピュレット家のジュリエットに懸想してキスを奪い、その足で忍んで行くのがあのバルコニーのシーンである。
「ロミオ、ロミオ、なぜあなたはロミオなの?お父様と縁を切って、その名を捨てて。」
当の相手が潜んでいるとも知らず一人嘆くジュリエットの前に、ロミオはのこのこと出て行ってあっさり言う。
「捨てます」
馬鹿息子である。
私はちょっと、笑ってしまう。
そしてその後で、くるおしい熱に胸を掴まれる。
ジュリエットはちょっとした行き違いからロミオと死んでしまうけれど、この二人からはびっくりするほど幸せな光があって、それはきっと先ほどの、おろかしいまでに無防備な、「私はあなたを愛しているからあなたは私を愛しているから私はあなたを愛しているからあなたは私を」と、もう溶けて渾然一体になってしまう迷いなき情熱である。ロミオが魅惑的に見えるのはジュリエットが彼に夢中だから。ジュリエットが美しく見えるのはロミオが彼女を愛しているから。そうでなければただの親不孝な頭の悪いガキである。

人魚姫は身を引いて海の泡となり、神に救済される。そんな風になりたいとはとうてい思えぬ。彼女の不幸からは女というふくよかさをすべて漉し取られている。
王子は彼女に指一本触れず、ただ妹のように可愛がり、彼女の思いにまったく気付かない。
彼女は眷属を捨て自慢の美声や足の痛みと引換えにしても欲しいと願ったはずの男を、殺めることも誘惑することもできない。
これが人間の女だったら、なんとしてもこの男と寝るだろう。その前にまず、寝てもいない男のために、ここまでしないだろう。関係を持っていたとして、隣の国の姫は殺すだろう。それでも自分のものにできないとき、この男を殺すだろう。自分を引き裂いたこの恋を、素手でわしづかみにするだろう。
まあ、そこまででなくとも、である。何もかもを捨てたという片道切符の情熱の、不自然なまでの未遂は、永遠に処女である人魚の堅さ、かりそめの脚を手に入れても暗示として残されている「美しいけれど交わることのできない娘」だからこそ物語になるのである。


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新訳 ロミオとジュリエット (角川文庫)
4042106153河合 祥一郎

角川書店 2005-06-25
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関連タグ : アンデルセン, 恋愛,

オススメ度:☆☆☆☆☆
オススメ対象:運命の恋に憧れる人
オススメポイント:ありのままを語らうとき

新訳 ロミオとジュリエット新訳 ロミオとジュリエット
シェイクスピア 河合 祥一郎

角川書店 2005-06-25
売り上げランキング : 27,371
おすすめ平均

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「はっきり言いなさい。普通の言葉でありのままを。
謎めいたざんげでは、謎めいた赦ししか与えられぬ。」
これはロミオが修道士ロレンスのところに出向き、敵のキャピュレットの娘ジュリエットと恋に落ちてしまったことを打ち明ける場面でのロレンスのセリフ。
好きな言葉だ。いさぎよくありたいと思うとき、勇気の感触をおもいださせてくれる。本気じゃなきゃ本物は手に入らないし、ときどきの本気なんてありえなくて、ずうっと本気でずうっと本物で生きたい。
長く細く生きるのか、短く太く生きるのか、そんなの長く太く生きるに決まってる。
この人に正直になろう、この人にはその価値があるのだから。この人生に正直になろう、この人生にはその価値があるのだから。
ロミオとジュリエットは出会った瞬間に運命的な恋に落ちる。二人はまるで神話の神々が儀式の言葉を交わすようにお互いへの思いをソネットにする。それはふたりの別々の人間の間で言葉というものがぴたりと一致する奇跡のエロスだ。言葉の魔法は恋人達をだれもいない場所に連れて行き、時すら通り過ぎることのできない部屋に鍵をかけ、隙間なんてないくらいぴったり、くっつけてしまう。そして交わされるキス。そこからは無我夢中。
そして二人はあっというまに死んでしまう。出会ってから数日の間に結婚し、引き裂かれ、死んでしまう。
これがはっきり言った、その結果。「なぜロミオなの」、とすべての属性を否定し、目と目を底まで見交わし、魂に魂を重ねて、本気で本物を手に入れた結末。
ありのままを語らうのは、用心したほうがいい。

そういえばこの修道士ロレンス、かなりのワルだ。ありのままを語らせた罪。この男さえいなければロミオとジュリエットは死ななくて済んだ。きっと幸せに結婚できたはずだ。両家のかすがいになるかもしれぬなどと年端の行かぬ子供同士を面白半分秘密裏に結婚させたりして、挙句の果てにはいかがわしい薬で死んだ振りをさせ、ろくな見張りもせずに放置。こいつシャイロックより悪者だろ。
ロミオとジュリエットの編み出す美しい詩に彩られた数々の場面のためにうっかり忘れさせてしまうあたりシェイクスピアあっぱれなんだけど、そういうことを考えだすとシェイクスピアってものすごくつっこみどころが多い。モンタギューとキャピュレット家のひとたちって抗争中のやくざなの?とかさ。

さておき、長く太くなんて、無理なのかな?

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オススメ度:☆☆☆☆★
オススメ対象:女性
オススメポイント:仏領ヴェトナムの優美

愛人(ラマン)愛人(ラマン)
マルグリット デュラス Marguerite Duras 清水 徹

河出書房新社 1992-02
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女性の最大の魅力の一つは、自分は魅力的だとしんから確信しているところにあるように思う。
女流作家の作品を読み終わると、「なんだ結局”私ってこんなにすてきなの”ってだけじゃないか」と呆然とすることが多い。でもそういう作品の方が一般的に言って面白い。
あくまでも私の体感でしかないのだが、女性が頭を使い自己を離れた作品を書くと却ってぼんやり柔らかさが表出してしまい、詰めの甘いものになってしまうように思うのだ。逆に自分は魅力的なんだと全面に押し出してくる女流作家には凄みや冷徹さが備わっている。矛盾するように思うけれど、これが私の多読の結果得た印象である。

「愛人」はデュラスの仏領ヴェトナムでの最初の性体験をもとにした小説で、十五歳の少女の魅力だけをひたすら物語っている。
貧乏な一家、凶暴でエキセントリックな長兄、弱く言葉も足らないのに分身のように思っている次兄、人生を扱うのに巧みでない不幸な母、暑く退屈なヴェトナム。白人だから大目に見てもらえる不品行、淫蕩な寮生活。そして滑らかな肌をした金持ちの中国人、ショロンの男と呼ばれる、彼女の最初の愛人。セックスが巧くて、お金をくれて、身も世もなく彼女を愛し、彼女が去ると知ると不能になってしまう男。失ってからも愛し続け、それを切迫と抑制に打ちひしがれて電話ごしに伝えてくる男。
主人公の少女だけではない、この人々も背景も、すべて彼女自身なのだ。ある女の人生に時制もなく内蔵され秘蔵されてきたできごと、仏領ヴェトナムの熱帯にとろけさせられて、輪郭が融け合っている。「愛人」はそういう話だと、私は思っている。

この小説の中で、彼女は誰も愛さない。
でも気付いただろうか、愛していないのではないのだ。
彼女は愛という使い古された言葉、記号に従うことを拒否しているだけなのだ。あまりにも自分自身の魅力を愛しているから。
それは単純な自己愛ではない。自分の感性、才気に心の底から心酔しきっていてそれしか信じず、自分が瞬間のうちに発見する新しい何かだけで自分に触れる全てを感じ、言葉にしたいのだ。
この本を読めばわかるだろう、彼女がそのやりかたで、全てをうけいれ全世界と自分をとろとろに溶け合わせていたことを、そして彼女があまりに魅力的だということを。

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愛人(ラマン) 無修正版愛人(ラマン) 無修正版
ジェーン・マーチ レオン・カーフェイ ジャンヌ・モロー

ビデオメーカー 2000-08-25
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オススメ度:☆☆☆☆☆
オススメ対象:愛の乞食である私達みんな
オススメポイント:怯むことなき粗野な確信
4003223314嵐が丘(上)
エミリー・ブロンテ 河島 弘美

岩波書店 2004-02-19
売り上げランキング : 162,192
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4003223322嵐が丘〈下〉
エミリー ブロンテ Emily Bront¨e 河島 弘美

岩波書店 2004-03
売り上げランキング : 162,193
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愛が何なのか、断言できない。
目と目があった瞬間に、好きだと感じたら、それが愛なのだと、十代のころは思っていた。
全身の血が重たくなるような優しい気持ち、それが愛なのだと、二十代のころは思っていた。
そして33歳の今、愛って、ある確信のことなんじゃないかと、思っている。

「彼は私で、私は彼なの。」
「嵐が丘」のキャシーは言う。
「あたしはヒースクリフなのよ、ネリ!彼は、いつでも、いつでも、あたしの心の中にいる。よろこびとしてではないかも知れぬということは、あたしがあたしにとって、いつもよろこびだといえないと同じだけど、彼はあたし自身と同じ存在なのよ。だから、あたしたちがはなればなれになるなんて、二度といわないでちょうだい。そんなこと、できはしないことよ。」
キャシーとヒースクリフは最初から確信しているのだ。だから彼らは「おまえは私を愛しているのになぜ裏切った!」と互いを殺すほど責め苛むことができる。彼らは「私のこと愛してる?愛してない?」なんて言わない。確認など一度たりともしない。それこそが、「嵐が丘」の比類ない激しさだ。

恋は勝負や収穫と勘違いされることがある。どっちが多く好いているのかとか、愛されている証拠を飽くことなく求め続け、贈り物がどっさり積み上げられないと満足できない。愚かしく自分を守り、二人になれない。
けれど激しい恋の極まるところでふいに、わかる瞬間が来る。彼は私で、私は彼なのだ、と。私が彼を愛していることと、彼が私を愛していることは、確認したり比べたりするようなことじゃなく、ひとつのこと、つまりこれは私達の愛なのだ、ということを。

「嵐が丘」で彼らの恋は他のロマンスのように美しいこと楽しいことせつないことを歌わない。そういったことは極端に簡素な表現でそっけなく語られるだけだ。そう、たとえば「いつもいっしょに荒地で遊んでいました」みたいな風に。
詳しく語られる彼らのロマンスは互いを罵り合い傷つけ合い苦しめ合うことだ。
互いが一つであるという確信、絆というものは、決して楽しみや美しさからは生まれない。それは深い苦しみからのみ、立ち上がってくるものだ。
彼らの間で肉体的な欲望が問題になることはない。そこにはもちろん時代的背景が存在するのだろうが、それを忘れさせるのは「嵐が丘」がセックスなど一切なくても胸貫き息奪うほどの官能を謳っているからだろう。互いを自分自身だと思い、相手がそう思っていることを知っている、彼らにとって肉体は彼らが一つにまじりあう妨げとなる魂の牢屋であり、死によってその牢獄から解放されることだけが喜びなのだ。

多く愛されることや、めくるめく快楽などいったいなんだろう。「嵐が丘」を読むと、そう思うのだ。

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オススメ度:☆☆☆☆☆
オススメ対象:激情と静寂を併せ持つ人に。
オススメポイント:誰にも捕まらない女と誰も掴まえなくて良い女の恋
4043480016落下する夕方
江國 香織

角川書店 1999-06
売り上げランキング : 25,221
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年を重ねるごとに、人生は複雑になり、思いはシンプルになる。
若いときには目をぎゅっとつむり息をとめて早く過ぎてしまうことだけを祈ってた刹那に、目を開いていられるようになる。夢中であることもくるしみつくすことも変わらないのに、みひらいているぶん、その映像を知ってしまう。恐ろしくも美しく。こんなときにこんな場所で呼吸ができるなんて、と吸ってしまったが最後、もう元には戻れない体なのだった。怖いものがなくなるなんて、なんと恐れ多い。
大きな安らぎを捨てて恋人が女にはしった。とうの女が男の去ったマンションに住み着いてしまう、誰にも所有されない女はでもそのことをけして楽しんではいないのだ。不幸なひと。
誰が誰と恋をしているのか。
だれかを自分のほかの誰かを欲しいと思い知りたいと思うそれが恋ならば、この女ふたりの、恋なのかも。

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