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悲劇

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オススメ度:☆☆☆☆★
オススメ対象:あわれな影法師たち
オススメポイント:運命
シェイクスピア全集 (3) マクベス
4480033033William Shakespeare 松岡 和子

筑摩書房 1996-12
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運命とは何か。
ややこしいこと抜きにして言い切ってしまいたい、運命とは神だ、と。
「マクベス」はシェイクスピア4大悲劇(理屈っぽいハムレット、軽はずみなオセロー、老いぼれリア王)の中でも禍々しく血の匂いのべったり貼り付いた劇である。
マクベスは荒野で3人の魔女に予言を与えられる。やがて王となるだろう、と。幸運の知らせのはずがそれはまるで呪いのように、野心のまま突き進むマクベス夫人に操られるように彼は暗殺により王位を奪いその座を守るために人を殺し続ける。
疑心暗鬼となった彼が拠り所とするのは予言の言葉、「バーナムの大森林がダンシネインの丘に攻め上って来ぬ限りマクベスは滅びない」。しかし、森は動き始める・・・。
マクベスの悲劇は予言の悲劇だ。人は運命に、神に逆らうことはできない。そして予言という形で与えられる情報はあまりにも曖昧で希望に縋る者の曇った目にはいかようにも情け深く歪む。神の意思ははかり知れない。
運命を物語として振り返った時にだけ私たち凡俗の人間も語ることができるのだ、「マクベスは最初から滅びるはずだったのだ」と。
子供の頃はこういった、予言の意地悪にはめられて堕ちていくような物語の人物をただ「馬鹿」だと思っていた。TVアニメで見ても本で読んでも「なんでこうなるってわからないんだろ」と思っていた。それはその状況を見る視線が覗き見だったり傍観者だったりして、対等な立場の中であっちはちょっと馬鹿、こっちはお利口さん、という意識だったからだろう。これは神の存在を考慮しないと正しく理解できないのではないか、とあるときふと思った。
彼らが愚かなのは、私に対してではなく、神に対してなのだ。私は彼らよりも賢いから彼らの失敗を見越しているのではなく、物語という限定の中で神の視線を借りているのだ。
観客席に座り舞台を見るのは、ちょっとの間、神になるということなのかもしれない。

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