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戦記

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オススメ度:☆☆☆☆★
オススメポイント:完成されれば星5つで
王都炎上・王子二人 ―アルスラーン戦記(1)(2) (カッパ・ノベルス)
王都炎上・王子二人 ―アルスラーン戦記(1)(2) (カッパ・ノベルス)田中 芳樹

おすすめ平均
starsもう1巻刊行から二十数年経っちゃいましたよ先生
starsこんな架空戦記小説があったなんて!
starsまた随分と久しぶりなことですが……
stars十字軍が嫌い
starsすべての「ファンタジー」はここからはじまった!?

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冒頭:

とうに太陽は東の空にのぼっているはずであったが、平原をおおう霧のヴェールをつらぬくことはできなかった。十月中旬である。秋の陽光は弱く、風はまったくない。パルスの気候にはめずらしい厚い霧は、いっこうに晴れる気配をみせなかった。



あらすじ・概要:
中世ペルシャに似た異世界での出来事。1986年から始まり、未完。全16巻を予定しており、現在13巻までが出版されている。
カッパブックスに移ったのを機にイラストが天野良孝から丹野忍に替わった。天野良孝は芸術として小説とは独立して存在するが、丹野忍は美麗で作品に合ったイラストとなっておりそれはそれで良い。

《王都炎上》
パルス国の王都エクバターナは一神教を奉ずる異教の敵国ルシタニアに征服された。落ち延びた王子アルスラーンは武勇に優れたダリューン、知略に優れたナルサス、を始めとした仲間と出会う。囚われた王と王妃の命運やいかに。

《王子二人》
王子の出生には秘密がある。銀仮面の奇異な運命、そして魔性の女タハミーネ王妃。アルスラーンは新たに加わった仲間達と共に辺境を守る勢力と合流を目指す。

感想:
とにかくおもしろくて、どんどん読めてしまう。
なのに、未完。
こういうものに限って中々続きを書いてくれないのはなんなんだ!
速く読めるからって速く書いてるわけじゃないんだよな。と考えると、材料の入手にも苦労し腕によりをかけて料理した何年がかりの料理が一瞬にして胃に収まってしまう、贅を尽くした楊貴妃の食卓のようだ。
代表作の殆どが完結していない作家、田中芳樹である。
長く忘れていたのだがここで改めて見てみると、私が高校のころに人気があったシリーズのことごとくが未だに終わっていない。
銀河英雄伝説は外伝に入ったままだし、創竜伝も続いている。アルスラーン戦記はあと少しだから頑張ってほしいものだ。そう、もう既に読者は「がんばってくれ!」という気持ちだろう。「死ぬまでに書いて、死ぬまでに読ませて」という、もはや他人と自分の長寿を願う心を育てる崇高な作品達である。

筋も設定も登場人物も、びっくりするほどファンタジー小説・漫画の王道。王道を行ったというよりも、これが王道を敷いたということだろう。

ところで、Wikipediaの「アルスラーン戦記」に「ナギーボル・ママレク(نقیب الممالک)のアルスラーン・ナムダルをモチーフにしている」と書いてあって、であればぜひそれを読んでみたいと思ったのだけれど、邦訳されていないのだろうか。
ナギーボル・ママレクという人名も、アルスラーン・ナムダルという書名も日本語(カタカナ)では見つからない。Amazonにも、地元の図書館のデータベースにも、国会図書館の検索サービスにも、見当たらない。
(この本を書いた人ってことかな?http://www.adinebook.com/gp/product/9646655092/ref=sr_2_1000_2/589-9008891-6941786 نقیب الممالکで検索すると出てくる。←イランにはAmazonはないんだな、ってところが「世界はアメリカじゃない」って身が引き締まるんだけど、結局このサイトは.comドメインじゃん、ってところでまたよくわからなくなる)
田中芳樹がペルシャ語が読めるとは略歴には書かれていないけれど、原典はどこから取ったんだろう。
いつも思うが、使いこなせていないと言えどもなじみのある英語でカバーできる情報というのは世界のごく一部で、インターネットが普及しても言葉がわからないとそこにガツンと壁があるんだなあ。

魅力的なのは距離の単位や役職、人名に中世ペルシャから取った名称が使われていること。架空の世界だからこそ、こういう、耳慣れない単位をことごとく使い散りばめることがリアリティーを増すし、またそれがちょっと調べてみると由緒がある、ということが読み手に満足を与える。こういう小説ではこういうことが大事なんだな。
特に戦記ものということで、距離の記述が気になった。
ガズ(1ガズ=1メートル)、アマージ(1アマージ=250メートル)、ファルサング(1ファルサング=5キロメートル)。
要所要所で読者のために括弧でメートル換算が書かれている。だったらメートル法でいいじゃないか、と思う気持ちには、戦場や国土の距離感を的確に掴みたいという欲求があるのだが、しばらく読み進むといつしか頭の中に、ファルサングでしか測れない世界が打建てられていくのだった。

DATA:
10進分類:913.6
内容分類:ヒロイック・ファンタジー ファンタジー 戦記
メインテーマ:戦記

著者名:田中芳樹
著者出身国:日本
時代背景:パラレルワールド (中世ペルシアをモデルとする)

漢字の難しさ ☆★★
表現の難しさ ☆★★
文体の読みにくさ ☆★★
テーマの重さ ★★★(テーマなし)
テーマの難解さ ★★★(テーマなし)
テーマの普遍性 ★★★(テーマなし)
所要時間:(15分刻み)
3時間(1巻1時間30分)
受賞:なし

王都炎上・王子二人 ―アルスラーン戦記(1)(2) (カッパ・ノベルス)
田中 芳樹

王都炎上・王子二人 ―アルスラーン戦記(1)(2) (カッパ・ノベルス)
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