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暴力

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オススメ度:☆☆☆☆☆
オススメ対象:心理描写に食傷した人に

百年の孤独
百年の孤独Gabriel Garc´ia M´arques 鼓 直

新潮社 1999-08
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おすすめ平均 star
star要約不能な不思議な魅力
star物語に「引きずり込まれる」
star暴力と言っても良い程の力のある小説

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純文学、と呼ばれるものに欠かせないと思っていたもの、心理描写や情緒の表現。その退屈を打ち破ったのが「百年の孤独」だった。
情緒と情熱は違うものだと教えてくれたのも。
渇いた情熱、怒涛のように押し寄せる出来事。それはドラマティックというのとも違う。ドラマにはその場がある律のもとに支配されているという前提があり、登場人物達は視点は違ってもひとつのドラマを目撃することになる。そして、「百年の孤独」の登場人物たちブエンディア一族の者たちは、互いのドラマに基本的にかかわりを持たないのだ。それが彼らの「孤独」だ。その孤独すら、私が想像する孤独とは違っている。私が想像する、一人きりの暮らし、愛されることも、愛することもない日常、そんなものとは。
ねちっこい心理描写がないために、登場人物への共感もまた、ない。その軽さを物語としてかろうじてつなぎとめるのは、ブエンディア一族の世代の中で繰り返される似たようなエピソード、似たような気質だ。
誰かに伝えるにはパラパラしすぎていて、思い返すにはクルクルしすぎていて、それなのに、読み返してみると、隠蔽された大虐殺や、あるとき風が吹いて突如土埃と瓦礫の廃墟となってしまう町の物語に自分がどれだけ影響を受けたか思い知らされた。それはその後私が繰り返し書こうとしたモチーフだった。そして再現したかったのは、大虐殺や廃墟ではなく、それらの出現の仕方のあっさりとあざやかな衝撃に他ならない。


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