びぶりおふぃりあ  ブックレビューとオススメの海外ドラマ・映画のあらすじと感想。顔面血管腫(赤アザ)カバーメイク体験談

村上春樹

ここでは、「村上春樹」 に関する記事を紹介しています。
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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
村上 春樹
文藝春秋 2013-04-12

海賊とよばれた男 上 海賊とよばれた男 下 夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2011 (文春文庫) 夢幻花(むげんばな) 永遠の0 (講談社文庫)

by G-Tools , 2013/05/01


面白く読めた。
高校時代の完璧な友情、その無慈悲な終わり、そして心に取り返しの無い傷を負ったまま中年になった主人公。
つまり、いつもの村上ワールドなんだけれど、それでも新しく読めた。
ミステリーのように、謎を解いていく筋立てだからだと思う。

村上春樹は長編の合間にだいたいこれくらいの感じの長さの小説を書くよね。
割と面白いし、長編に比べて読んでる間の気持ちは良いんだけれど、あまり後々の印象に残らない。

この「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は、もっとちゃんと物語の最後まで書いて欲しいなと思ったし、もっと禍々しい結末でも良かったような気がするけれど…。

このラスト、どうなんでしょう。
できたばかりの恋人に、あなたは心に問題を抱えているから昔の傷をほじくり返して解決していらっしゃい、じゃなきゃもうセックスしない、と命じられて、言うとおりにやってみた。そして暗く動かしがたい事実が発見された。彼はなんとかその成果を持ち帰る。
ところが肝心の恋人は二股をかけていて、自分が選ばれるかどうかは明日の夜にならなければわからない。
ジ・エンド。

えーっ?!

ここで任せるのー私(読者)にー??

わかりました、考えてみましょう。
そうですね…
物語の流れからすると、多崎つくるが選ばれねばならないですよね。
でも女性として見て、私だったら、多崎つくるは絶対に選ばない!!
いくら年上の女性だといっても、簡単に過去が見透かされてしまうような男の人じゃ面白くない。好みの問題なのかもしれないけど。
というか、多崎つくるが魅力的に見えるようには書かれてないんだもん、この話。そうでしょう~?素敵にしようという気がまったくないでしょう、村上春樹さんに…。駅舎の設計についても、いろいろ書いてるわりにはその核心に迫ってはいないような気がするんだよね、ただ一利用者としての駅というものへの思い入れくらいのものしか伝わってこなくって、多崎つくるを光らせるには至っていないというか。
それに、ツクルって、「る」で終わるじゃん。いつものワタナベノボル系の人物かと思ったし。ねぇ…

というわけで、
「選ばれなかったら今度こそ死ぬ」
という多崎つくるくんは、私のラストでは死んでいる。
そしてきっと恋人が選んだもう一人の男が、友達をレイプしたり殺したりしたのと同一人物だな、村上ワールド的に。きっと。
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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
村上 春樹
文藝春秋 2013-04-12

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by G-Tools , 2013/05/01



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オススメ度:☆☆☆☆★
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ノルウェイの森 【スペシャル・エディション2枚組】 [DVD]
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2011-06-22
評価

by G-Tools , 2012/05/30



あらすじ:


親友キズキの自殺のショックから、ワタナベは東京の大学に進学する。そしてキズキのガールフレンドだった直子と再会し、運命の恋に落ちる。直子は既に精神を深く病んでいるが、ワタナベは自分を愛していない直子に深い思いを抱き続けるのだった。

キャスト:


ワタナベ - 松山ケンイチ
直子 - 菊地凛子
緑 - 水原希子
永沢 - 玉山鉄二
キズキ - 高良健吾
レイコ - 霧島れいか
ハツミ - 初音映莉子
突撃隊 - 柄本時生
大学教授 - 糸井重里
レコード店店長 - 細野晴臣
阿美寮門番 - 高橋幸宏

監督・脚本 : トラン・アン・ユン
音楽 : ジョニー・グリーンウッド


感想:


心象風景の暗さや、人物の透明感がとても良く出ていました。

役者さんはどの人も役柄っぽく演じていて違和感がありませんでした。
特にミドリの雰囲気は、小説で描いていたのとはもちろん違っていたのに、映画を見たあとでは水原希子以外に考えられないくらいです。
霧島れいか演じるレイコさんは、私が想像していたよりずっと若くて素敵でした。
もっと、ワタナベくんがセックスするのが意外なくらいのおばさんだというイメージでした。


ワタナベくんって、小説読んでるときは村上春樹とオーバーラップして、何やっても「村上春樹らしいな」と思ってしっくりきてたのですが、松山ケンイチが演じる映画を見ると、
「ワタナベくんって、変わってる!」
ということを改めて感じます。

例えば、直子に惹かれるのも、直子から離れられないのも、とても変わってると思うんです。

全てを忘れて新しくやり直すために東京に出てきたのに、再会した直子と頻繁にデートするのは、普通の感覚では理解しにくい。

小説では、キズキと直子との三人の関係が特別なものだったということがよくわかります。
それゆえに、直子との関係もまた深くなるのです。
小説は映画に比べてそういった失われたものへの「愛着」や「執着」を描きやすい媒体なのだろうと思います。


完璧で神聖だった三人の関係は、キズキの自殺によって呪われたものになってしまいます。


直子とセックスして彼女が処女だったことを知っても、キズキの存在感は一向に弱まりません。

それにしたって、映画での「キズキとは寝なかったの?」という質問のタイミングはいくらなんでもあり得ないと思うのですが…まだ中に入ってるくらいのタイミングですよね。
だからダメなんだよ!と舌うちしてしまいました。

キズキの自殺によってとりかえしのつかないダメージを負ってしまった直子は、ワタナベくんにとって、傷付いた自分の青春そのものです。彼女を癒し、支えることがワタナベくんの人生にとって重要な使命になります。

小説では、大学の学生運動に対する疎外感がはっきり書かれています。
「疎外感」もまた、映画では表現しにくいのでしょうか。
何かドラマを挿入するか、モノローグではっきり言わないと伝わらないですよね。

ワタナベくんの世間での疎外感と対比して、生きた人間を感じるのが直子と緑という二人の女性との出会いです。


ほとんどの男性が緑を選ぶと思うのです。
心に重い病気を抱え、死んだ友達を常に思い出させる女性よりも、容姿も見劣りなく健康ではつらつとした緑のほうが断然良いと思います。

それでも小説を読んでいると、なぜか直子のほうに惹かれてしまう。そちら側へ行ってしまいそうになります。

映画のほうがスッと得心が行くこともありました。
直子の自殺です。
小説のノルウェイの森は何階読み返しても、直子に死んでほしくない、ワタナベくんと手に手を取り合って生きて行って欲しい、と思って読んでいますが、映画で見ると、
「直子にとってそのほうがよかっただろうな。よく自殺したな。」
と評価する気持ちがあり、自分でも驚きました。
「ワタナベくんにとってもこのほうが良かったよ、きっと」
とすら思っていたのですから。


ただ、そもそも、キズキってどうして自殺してしまったんでしょうね。
そう思いませんか?

キズキの自殺の動機って不明のままで、なんというかおしゃれな感じで描かれてると思うんです。小説でも映画でも。おしゃれな自殺って、変ですが。非現実的というか。

そのことをもっともっと突き詰めても良いような気がするんです。
映画としても、読者としても。

それが幸せに繋がるかはわかりませんが。

ノルウェイの森全体を覆っている呪いは、キズキの死が軽すぎることで生じているような気がしています。

全体の重苦しさの中で、キズキの死はあまりにも軽い。

幸せそのものに見える若者が何の前触れもなく死ぬのは、この世界に全く意味が無い、というメッセージだから。



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村上 春樹

海辺のカフカ (上) (新潮文庫) 海辺のカフカ (下) (新潮文庫) ノルウェイの森 下 (講談社文庫) ダンス・ダンス・ダンス(上) (講談社文庫) ダンス・ダンス・ダンス(下) (講談社文庫)

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あらすじ・感想:

ハロウィン
10月31日に行われる西洋のお祭りで、仮装をした子供たちが近所の家庭を回り、
「Trick or Treat !」
とお菓子をもらって歩くという行事。
かぼちゃをくりぬいたちょうちん、ジャックオーランタンが伝統的なマスコットで、魔女やこうもり、がいこつ、幽霊、黒猫、といったお化け屋敷の面々もこの日のイメージキャラクターたちだ。イメージカラーは、オレンジと黒と紫。

日本でも仮装や飾りやお菓子はすっかり定着したけれど、本場ではないので定着しにくいのはやっぱり【Trick】、そう、いたずら

実際のところ、ハロウィンのお祭りがさかんなアメリカではどんないたずらが行われているのか…

生卵をドアに投げつける、トイレットペーパーで植木や車をぐるぐる巻きにする、というのは良く聞きますが、

トイレを盗まれる

といういたずらを、読んだことがあります。

レイモンド・カーヴァーの『父の肖像』というエッセイは、肉体労働者だった父の生涯を【ものすごく・ありえないくらいミニマム】にさらっとまとめています。
ハロウィンのいたずらは、貧しかった少年時代の思い出のひとつとして描かれています。
カーヴァーの家は貧乏だったので、周囲が水洗便所に変えて家の中にトイレを設置する中、まだトイレが家と離れた作りになっていました。

便所は家の外にあった。ハロウィーンの夜になると、いや、ハロウィーンに限らず気が向けばいつでも、夜になると近所の十代はじめの子供たちがいたずらをして便所をそこから運び去り、道ばたまでもって行ったりした。(中略)一度なんか本当に火までつけられた。



トイレ、持ち運びできるんですね!!

よく建設現場やキャンプ場にある仮設トイレのようなつくりなのでしょうか。

便意をもよおしてからトイレが盗まれたことに気付いたらと想像しただけで、頻尿になりそうです。

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Carver's dozen―レイモンド・カーヴァー傑作選 (中公文庫)
レイモンド カーヴァー Raymond Carver
中央公論社 1997-10
評価

愛について語るときに我々の語ること (村上春樹翻訳ライブラリー) 頼むから静かにしてくれ〈1〉 (村上春樹翻訳ライブラリー) 最後の瞬間のすごく大きな変化 (文春文庫) グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー) 頼むから静かにしてくれ〈2〉 (村上春樹翻訳ライブラリー)

by G-Tools , 2011/10/11



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村上春樹氏のカタルーニャ国際賞授賞式でのスピーチ、Youtubeに上がっていたので全部聞いてみた。



 村上春樹カタルーニャ国際賞授賞式スピーチ1/4(Youtube)
 村上春樹カタルーニャ国際賞授賞式スピーチ2/4(Youtube)
 村上春樹カタルーニャ国際賞授賞式スピーチ3/4(Youtube)
 村上春樹カタルーニャ国際賞授賞式スピーチ4/4(Youtube)

良い内容とは思わない。
あまりにも全体的すぎて漫然としており、率直に言って、小学生の作文レベルのスピーチだった。
なによりも、どうしてもこのことについて言及しなければならない理由を感じることができなかった。

でもまあ、私としてはノルウェイの森以降の村上春樹氏に「何が何でもこれを言わねば死んでも死にきれぬ」気迫を感じたことがない。
自分の体験をもとにした小説を書ききったことで村上春樹氏の原動力は昇華され、いったん途絶えたのだと私は考えている。もちろんだからといって未来永劫、作家としての彼の価値が固定化されたわけではなく、今後円熟してもっと普遍的な原動力にリンクする可能性に期待して新刊を買っているのだが。

私がそのように評価していないにも関わらず彼の本はとても売れ続け受け入れら続けているのだから、単に個人的に波長が合わないのかもしれない。

外国で外国人向けにしたスピーチなのだから背景を含めどこから話せばいいのかという設定の問題があるし、すると無常感や桜などを持ちださなければならないのかもしれない。

でもそれだけではなくて、一番の違和感は、これが外国で外国人向けにしたスピーチのように聞こえるからではなく、日本人がしたスピーチのように聞こえないこと…もとい、日本に住んでいる人のスピーチに聞こえないことなのだ。

村上春樹氏は今どこで暮らしているのかなぁ…。

時事ネタは現場に聞き手である自分よりも近くいる人の発信じゃないとピンとこないかも。
イスラエルでの「壁と卵」はとても良いスピーチだったけど、それもイスラエル現地に住んでいる人からしたらやっぱり響かないものだったのかもしれないと今回思った。(雑文集には村上春樹氏が色々な場面で行ったスピーチが載っている)

さておき、【公】で出された発表の方が【私】で知られている真実よりも重いという日本のしきたりからいうと、村上春樹氏のような国際評価を受けた著名人が「問題が確かにそこに存在するのだ」と発言してくれるだけでも意味があるわけでありがたいことだと思う。(これについてはまた後日書きたい)

村上春樹 雑文集
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オススメ度:☆☆☆☆☆
オススメポイント:呪い

ノルウェイの森 上 (講談社文庫)ノルウェイの森 上 (講談社文庫)
村上 春樹

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あらすじ・感想:
純愛、せつない、激しい、と簡単に片づけられるような小説ではない。

登場人物たちをひとりずつ、幸福の皿からも生命のテーブルからも引きずり下ろしていく、禍々しい力。

それに愛が絡んでいるから悲しみばかりが強調されるが、愛を削ぎ落して眺めてみると、呪いの物語だと気付かされる。やけに多いセックスシーンも、異形の神への捧げものだ。
ノルウェイの森を読むたびにめまいがする元凶はそれだ。
おかげでビートルズのノルウェイの森もすっかり恐ろしい曲になってしまった。

ノルウェイの森は一人称でしか書きようのない作品で、三人称では全く違う作品になる。
その隔たりは、原案が同じだということにすら気付かないくらい遠いだろう。
村上春樹自身が、書き直したとしても。

ところが、ノルウェイの森に登場する人々は、外見的な美しさを要求しないのだ。
美しいとされる人々は登場してくる。が、
外見的には彼らはたぶん平凡で、
「このひとが直子だ」
「このひとがハツミだ」
「このひとがキズキだ」
…と紹介されたら、
「え…」と内心つぶやいて
失笑をこらえるような見た目であるような気がする。

それでもワタナベの心には特別に映るのだな、と、その一点にのみ価値があるように思うのだ。
直子の苦しみ、レイコの過去も、彼らの心の中にだけそれは存在し、それを語る言葉を彼らが持っていて、ワタナベにその言葉でつながり合うことを許したから物語に流れ出してくるのである。

ノルウェイの森の映画がいま公開されているが、三人称的な映像メディアで美しい人々が演じるノルウェイの森は、それはそれで良い作品になることは可能性としてはゼロではないと思うが、成功は難しいのだろう。

私もノルウェイの森の脚本を書きたい。

私なら、映画版ノルウェイの森は主人公を緑にして、緑が出会った奇妙で平凡なワタナベという若者を描く。
小説で描かれたように心の全て、純愛の軌跡全てを描くのではなく、一人の若い女性が覗き見た断片として。
そして、ワタナベとの出会いによって緑に開かれた世界と、交わり合う心を描く。直子の存在に危機感を覚える緑を見てみたいし、直子の世界を父の脳腫瘍に重ねるというのはどうだろう。
その物語なら、三人称でも、ワタナベが今をときめく役者でも、直子が美人でも、気にならないで楽しめると思う。
唯一、緑だけがワタナベの心の外側でいきいきと生きている人物だから。

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村上 春樹

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これで完結したって言えるならカラマーゾフの兄弟だって完結してる。

あらすじ・感想:

BOOK2からこっち、終わったの終わってないの?っていうのがメインの関心事になっちゃって、作品としてはよろしくない気がする。
(どこか遠く…シベリアなどでゆっくりじっくり書いて、終わったものを見せてもらいたい。)

「ところで、おもしろいの?」
とこの本を読んでいない人から訊かれるけれど、
こういったストーリーが中心の小説の良しあしは何と言っても完結しないとわからないものなので歯切れの悪い答えしかできない。
でもあえて、このBOOK3を読み終えた時点での評価は、「つまらなくはないし、買ってよかったと思う、でも…」と最後にでもが付く。
でも、そもそもこのメインになっている青豆と天吾のメロドラマに魅力を感じない。
子どもの頃言葉もかわさなかった相手とずっと相思相愛で30歳になるなんてメルヘンは、夢があるというよりは病的に現実逃避傾向だ。それは私の心の奥底に巣食うひとりよがりにまるめた自分勝手な世界観と同じものに思え、却って現実の苦い味と自分の救いようのない価値の低さを思い知らせる。
それも描き方の問題なのか私の個人的な問題なのか、最後まで読まないとなんとも言えない。

というのが本当のところだが、

「でも、読み返さないかもね」と簡潔に説明するようにしている。

1Q84 BOOK 31Q84 BOOK 3
村上 春樹

1Q84 BOOK 2 1Q84 BOOK 1 海辺のカフカ (上) (新潮文庫) 海辺のカフカ (下) (新潮文庫) ノルウェイの森 上 (講談社文庫)

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オススメ度:☆☆☆☆☆
全何巻になるかって話をしようよ。そして何年先に終わるのか。
1Q84 BOOK 1
1Q84 BOOK 1
おすすめ平均
starsもう、ホントに!!
stars束の間の現実逃避、、、そんな位置付けで良いような気がする
starsBOOK3を心待ちに
stars読ませます。読ませますケド ...
stars文字表現としてのマンネリは気にならなかった。

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1Q84 BOOK 2
1Q84 BOOK 2
おすすめ平均
starsそれは嘘だ。
stars本当に大切なもの
stars初めて…。
starsやっと序章がおわったの?
stars村上さんにお願い

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毎日新聞のインタビューで、村上春樹が1Q84の第3部を来夏に出版することを目指していると答えている。
 毎日jp→村上春樹氏:「1Q84」を語る 「来夏めどに第3部」
全何巻で終わるんだって話じゃないですかね。
この膨らませ方だと5部は堅いと思うんだけど。4部のつもりでいて5部になっちゃうってパターンではないだろうか。今までの著作に対するコメントを思い返すと、常に見積もりの倍以上になってる。
まだ第3部かけてないってことでかなりねじまき鳥パターンが見えてきた気もして、ひやひやしている
人も多いのではないかな。
全体の統一感のために、全部書いて出せばいいのに。書き下ろしってそういうものではないのだろうか。小出しにするなら連載にしたらどうだろう。

本当は1Q84のいくつかの筋を検証して、それぞれの事件の顛末が読んで満足いくボリュームで書かれたら全何巻になるかというネタバレ記事を書きたかったのだが、ここ数日忙しいため後ほどゆっくり楽しんで書くことにして、今日は私がいちばん好きな時期の村上春樹の生活が事細かに書かれているエッセイ、「遠い太鼓」。

村上春樹はギリシャやローマに暮らしながら「ノルウェイの森」を書いた。ギリシャやローマとは関係のない話だが、当時の暮らしにはこの小説、彼の代表作の空気が隅々まで浸透している。それはとても濃厚で、地中海の陽光を褪せさせてしまい、日常を古いフィルムのように不思議なことにむしろどこかのどかに風化させている。

作家の日常生活を見るとがっかりしたりうんざりしたりすることが多いのだが、村上春樹の「遠い太鼓」はヴァージニア・ウルフの日記に匹敵するほどすばらしい。
(禁欲的に執筆し、遊び下手で人付き合いが嫌い、子どものない夫婦、というところが共通項かな)

非常に文才のあった友人(彼女は絶対に小説家になるのだと、私は思っていた)が20代の頃、とある文筆家に「小説って、中年の仕事だよ?」と言われた。その一言で彼女は若き女流小説家という肩書きへの色気を捨てた(そして私は彼女の小説を読みそこなう羽目になり、くだんの文筆家に憤りを感じている)。
ところで、中年っていつまでなんだ?
村上春樹が「遠い太鼓」の頃中年だったのは確かだけど。

エッセイはあまり読まない人であっても、村上春樹が好きなら必読の書。

遠い太鼓 (講談社文庫)
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おすすめ平均
starsこれを読んで海外へ!!
stars決してガイドブックではない
stars40を手前にしてチャレンジをした作品であったということが分かる。 
stars読むと旅に出たくなる本
stars旅行記

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オススメ度:☆☆???
オススメ(?)ポイント:「万延元年のフットボール」になれるほどおぞましき呪力はない。

1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)
1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉前編 (新潮文庫)村上 春樹

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1Q84 BOOK2〈7月‐9月〉前編 (新潮文庫) 1Q84 BOOK2〈7月‐9月〉後編 (新潮文庫) 1Q84 BOOK1〈4月‐6月〉後編 (新潮文庫) 聖女の救済 (文春文庫) 三匹のおっさん (文春文庫)


あらすじ・感想:


前衛的、に対義語があるとしたら後衛的、というのだろうか。もちろんそんな言葉を聞いたこともないし、広辞苑にも乗っていない。ソフィスティケーテッド、洗練、の対義語はプリミティブ?素朴?だとしたら、プリミティブ→ソフィスティケーテッドは可逆なのだろうか。「よりいっそうプリミティブになった」というのは、明らかにおかしい。
一言で言うのをあきらめた。


もちろん出だしは悪くない。”運転手”(羊をめぐる冒険)、そして都会の動脈、首都高から異世界への出入り口(ハードボイルドワンダーランドの地下鉄)は何度でも繰り返してほしいおなじみのモチーフだ。読み始めてから工事中の大橋近辺を通りかかると246に重なる首都高に非常階段を探してしまう。(1Q84では三軒茶屋方面にあるとされている)


200ページ目くらい読み進んで気が散り、
「ちょっと耳掃除しようかな…」と思った。

ねじまき鳥以降の村上春樹より村上春樹っぽい何かがある気がするんだけど、それが何なのかわからないし、ねじまき鳥以降の村上春樹の中でもとりわけ村上春樹っぽくない何かがある気がするけど、何なのかわからない。でも、そのどちらかの何かのせいで、私はこの本「1Q84」を読みながら気が散っている。
それ以降もたびたび飛ばし読みをする箇所が現れる。
どうやら村上春樹は「ソフィスティケーテッド」を捨て、力強さを求めてわざとこう書いているのだ、とbook2で気付く。

会話に頼りすぎた展開のアンチドラマ(ドストエフスキーがびっくりだ)、それをかならずおさらいする青豆と天呉の心理描写のくどさ、この繰り返し、しつこい念押し。
十八番だった小物づかいを排除したことによるモチーフの貧弱さ、平凡な会話と中途半端な登場人物たちの性格。「台詞を現実の世界に近づけることがリアリティを生むわけではない」という演劇史が明治時代に出した結論を再確認。
成功しているとは言いがたいが、今後成功しないとも限らない、思い切った作風の変更だ。斬新でないところがリスクを取ってる。

(とにかくまず耳掻きや毛抜きの余地なきびしっと集中した時間の一塊を売ってくれ、次回は。)

村上春樹の小説に”社会””世界観””歴史”という要素が取り込まれたのは「羊をめぐる冒険」が初めてだと思う。それまでは、彼の小説には小説そのものしかなかったし、割とそれはそれで、面白かったと思う。(一般的に”アンチ小説”と評価されていることに対抗しているわけではなく、どちらかというと”アンチテーマ”であって小説ではあるかな…という個人的な見解である)私はなんども「風の歌を聴け」や「1973年のピンボール」を読み返しているし、それらが私の目に特に問題提起としては映らなくても、一向に価値の減耗を感じなかった。
「羊をめぐる冒険」に、”悪”…人を支配し操って善なるものとのハザマに狂気に堕としながら傀儡として利用する、超常的な”悪”の存在をきわめて不器用に取り込んでから、彼はその接点で俗世間とリンクし、一度はピークを迎えたものの(「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の技巧と素材の妙の完璧さと「ノルウェイの森」の濃厚さが収めた世俗的成功と)、以降は弱体化してほかの活動にいそしんでいる、というように見えていた。「海辺のカフカ」はそれまでの作品のモザイクに過ぎないし(この本から読めばおもしろいのかもしれないが)、その他の作品については確かに翻訳活動のほうがずっと有意義と思わざるを得ないできばえであった。

しかし、1Q84は「村上春樹いまだ生身にて」と声高に主張している。生身。期待に応えたり裏切ったりする、生身。

というわけで、繰り返し読むに足る作品ではないのは確実だが、今のところこの作品を歓迎している。

この作品「1Q84」はハッピーエンドになるべき小説だ。悲しみや欠落をそのままに昇華するには小説そのものの美しさや洗練、いわば芸術性がないし、大江健三郎「万延元年のフットボール」になれるほどの総毛立つおぞましき呪力もない。(誰もサルダヒコのように死んでない。村上春樹は人間の尊厳を犯さない)
しかし村上春樹が新しくなったのは確実なことだ。その新しさが現代文学史の中で比較的古い外見をしていたとしても、そのために村上春樹が”かなり”チャーミングでなくなってしまったとしても、少なくとも彼は生まれ変わり損ねてはいない。無菌室や保育器がなくても十分育つ五体満足に新しくなっている。その子が人に好かれるか大物になるか長生きするか…
…赤子の将来は誰にもわからない。

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starこれぞ村上春樹的作品
star細部まで丁寧に書かれた一冊

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ひどいんですよきいてください。
Amazonで予約した1Q84、まだこないんです。
それどころか、「二巻が先に確保できたので送りますね」ってメールが。
すごい前に予約したのに!

というわけで、Amazonでの発売前の予約はオススメできないってはなしでした。
よっぽど売れてるみたいで、そのせいで混乱してるのかなぁ。
本屋にはいっぱい置いてあるみたいで、これなら本屋で買えば良かった、いち早くレビューしたかった、って臍かむ思いです。
すでに出ているレビューもいい感じなので、ほんとにたのしみです。

村上春樹氏といえば、イスラエルでの演説が話題になってましたよね。
私も感激しました。

そういうこともあって今回の新刊に期待していて、そういう人はほかにもいると思うので、あれがプロモーションだったらすごいな、って思います。

ともあれ、村上春樹について語る人々で、私が思ってることを言ってくれる人が地上に一人もいないような気がするんですけど、寡聞にして。
・村上春樹ワールド
・孤独
・文体
・これは本物の文学ではない
とかなんとか、が、村上春樹について評論家含めみんなが語ることじゃないかなぁ。

私は、ただ単にまず読み物として面白いと思うんだ。
物語がね、骨組みとかじゃなくて骨も肉も全部ひっくるめたところの見たまんまの物語が、読んでて面白い。
これが一番村上春樹らしいところだし、それが一番作家としてね、すばらしいことだと思う。
みんなかっこつけてないでそういうこと言おうぜ。

村上春樹チルドレンって呼ばれている人々がいるそうなんだけど、ぜんぜんチルドレンじゃない気がして。だって、面白くないんだもの。雰囲気とか語り口とか主人公の姿勢とか、そういうパーツがちょっと似てるだけでしょ。だから、そういう人たちをチルドレンって呼んでる人は、村上春樹のことどう捉えているのかなぞなんだよな~。

でも、ま、その作家が面白さを引き継いでたら、『チルドレン』なんて枠には収まらないか。
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村上 春樹

海辺のカフカ (下) (新潮文庫) ノルウェイの森 上 (講談社文庫) ノルウェイの森 下 (講談社文庫) ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫) ねじまき鳥クロニクル〈第2部〉予言する鳥編 (新潮文庫)

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関連タグ : 村上春樹, 1Q84,

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中国行きのスロウ・ボート (中公文庫)
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star高レベルな短編ばかり
star珠玉の短編小説
star『午後の最後の芝生』のみずみずしい作品のタッチが、とても素敵だ

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冒頭:

最初の中国人に出会ったのはいつのことだったろう?


収録作品:
 中国行きのスロウ・ボート
 貧乏な叔母さんの話
 ニューヨーク炭鉱の悲劇
 カンガルー通信
 午後の最後の芝生
 土の中の彼女の小さな犬
 シドニーのグリーン・ストリート

あらすじ・概要:
村上春樹の最初の短編集。
1980年~1982年にかけて発表された。
あらすじらしきものはない。

感想:
村上春樹氏本人が自作についてよく、「かなり問題を抱えた人間が書いたかなり問題を抱えた小説」と評しているが、「中国行きのスロウ・ボート」はまさにそんなかんじ。

朝から一日中頭が痛かった日に一生懸命考えたことみたい。
みじめで、憂鬱で、希望がなく、無意味。
必要なのは鎮痛剤だったのに…。

2008年の秋までは、私の人生で一番辛かったときは、離婚後引越しをするときだった。でも秋に、それをはるかに上回って悲しみの測定上限を振り切る衝撃的な出来事が起こった。
ばかばかしい話だけど、男に捨てられたのだ。
その男は不幸を訴え、結婚をエサに私にたかり、利用し、さんざん甘い汁を吸ったあと、彼が破たんしていると言っていた妻の元に帰って行った。
そして「人にばれたら困るのはお前だ」と私を脅したのだ。
笑ってしまうけど、その男は、家に帰るためのタクシー代まで私にせびったのだ。
何よりも、信じていた男がそんなクズだったということが私をうちのめした。
まさか、という思いが長く残り、正真正銘のクズだということがわかるのには時間がかかった。
どんなひどいゴシップや犯罪を見ても、その男よりも人間性の浅い中身のない人間を見つけることができないことに、何よりも私はうちのめされた。どんなドラマに書かれている最低男も、その男よりはましなのだった。

そのときに(正確に言うと3週間くらい経ってやっと書物に手が伸びて)なぜか手に取ってしまった「中国行きのスロウ・ボート」。
その気分を詳細に述べると発狂しそう。
ただシンプルに言えるのは、この小説が、あるバロメータになったということ。

「あ、私、まだまだぜんぜん小説とか読めるようなコンディションじゃないんだ」というバロメータに。

もうちょっとでバロメータ以上の効き目を発揮するところだったが・・。

辛いことがあったときには絶対読んではならないリストを石で作って、刻み付けておきたいね。

沖縄戦とかベトナムとかの戦争戦没者記念碑みたいに。「中国行きのスロウ・ボート」


DATA:
10進分類:913.6
内容分類:純文学
メインテーマ:不明

著者名:村上春樹
著者出身国:日本
時代背景:現代

漢字の難しさ ☆★★
表現の難しさ ☆★★
文体の読みにくさ ☆★★
テーマの重さ ☆☆☆
テーマの難解さ ☆☆☆
テーマの普遍性 ☆☆★
所要時間:(15分刻み)
1時間30分

中国行きのスロウ・ボート (中公文庫)
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