びぶりおふぃりあ  ブックレビューとオススメの海外ドラマ・映画のあらすじと感想。顔面血管腫(赤アザ)カバーメイク体験談

罪と罰

ここでは、「罪と罰」 に関する記事を紹介しています。
はてなアンテナに追加   

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

web拍手

オススメ度:☆☆☆☆☆
オススメ対象:誰にでも自信をもってオススメ☆☆☆☆☆
オススメポイント:ロシア最大・不世出の天才。トルストイのように説教をしない。多くの作家の憧れの人。高いエンタメ性と文学性。

4102010211罪と罰 (上巻)
ドストエフスキー

新潮社 1987-06
売り上げランキング : 21,032
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools

410201022X罪と罰 (下巻)
ドストエフスキー

新潮社 1987-06
売り上げランキング : 19,593
おすすめ平均

Amazonで詳しく見る
by G-Tools


「罪と罰」この小説のテーマは題名通り。
深遠なテーマだ。でも深遠なテーマなんてすなわちありふれたテーマだ。誰の発明でもない。羅列する気にもならない。小学生だって語れる。
ドストエフスキーの天才はけれどなんといってもその「あまりに人間が描かれている」ことにあるだろう。
殺人を犯したラスコーリニコフが物語の中盤、最愛の母と自慢の妹を目の前にして悟る場面。「またしても彼は恐ろしいほどはっきりとさとったのだ、いま彼がおそろしい嘘を言ったことを、そしてもういまとなってはゆっくり話をする機会などは永久に来ないばかりか、もうこれ以上どんなことも、誰ともぜったいに語り合うことができないということを」という箇所を読んだとき、私はランチを食べに入ったレストランのテーブルで思わず小さく声をあげ、文庫本を強く握った。
「人を殺してはかわいそう」「神はすべて見ている」「捕まって死刑になっちゃうよ」「誰も知らなくても良心がとがめて苦しむ」・・・
人間の真実は犬だって知ってるそんなルールにあるのではなく、まして実際の犯罪者が何を感じ何を考えるかにあるわけでもない。それはどんなに立派でも、またどんなにショッキングでも、所詮は表面的なことだ。
ダケド、イッタイ、ナゼ?
罪を犯したがゆえにもう二度と誰ともこのやわらかさを分かち合えないこと。
ナゼコノコトガコンナニモ確実ニ私ノ胸ヲ衝クノ?
ラスコーリニコフに対しても殺人の動機についても私は同情も共感も一切ない。彼はおおよそ読者に愛情を抱かせるタイプの人物ではない。単なる傲慢で怠惰な青二才。(「この人物を読者にこう思わせてやろう」という意図が全く匂わないのもドストエフスキーの才能のひとつだ。)
にもかかわらずラスコーリニコフの、その焼かれるような孤独。それは、背もたれに寄りかかり食後のコーヒーを待ちながらページをめくる私に見事な一撃を喰らわす。
なぜならそれは、「ズウット私ガ恐レテイタコト」だからだ。
つまり、真実とは、私達が心の底で、その奥深くで、ずっと恐れていることそのもの、救いも解決もなく恐れ続けていることそのものなのではないか。
そして真実は物語の枠を超え、ラスコーリニコフを超える。
私は泣いてしまう。号泣してしまうのだ。昼間のレストランで。ラスコーリニコフのためでなく、夫のために、家族のために、友のために、私のために。

☆ブログランキングに参加しています。クリックお願いします☆

ブログランキング



web拍手

スポンサーサイト

関連タグ : ドストエフスキー, 罪と罰, ロシア文学, ロシア, , ,


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。