びぶりおふぃりあ

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オススメ度:☆☆☆☆☆
オススメ対象:ノーマルもアブノーマルも
オススメポイント:息のむプレイ

サド侯爵夫人・わが友ヒットラー (新潮文庫)
サド侯爵夫人・わが友ヒットラー (新潮文庫)三島 由紀夫

新潮社 1979-04
売り上げランキング : 65782

おすすめ平均 star
star戯曲のおもしろさを堪能できた
starGood job!
star良い

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「でもその貞淑はお母様から教わったものですわ。」
「ああ、お前が貞淑というとみょうにみだらにきこえる。どうしてだろう。私は前からそんな気がしていた」
「では、それなら私の愛情は・・・・・・」
「その言葉のほうは、又妙にみだらでなさすぎるのだよ」
倒錯。そのゆがみにこだわるゆえに回りくどい言葉で、その悦びが自慢ゆえに下卑た言葉で、語られることが多いアノ世界。が、しかし。
登場する人物はすべて女、彼女たちの共通項であるサド侯爵は常に舞台の外から黒い影を落としているのみ。
この会話を交わすのははサド侯爵の妻であるルネと彼女の母親であるモントルイユ夫人である。おまえの貞淑はみだらで、愛情はみだらでなさすぎる、この宣告がしかも実母から下されることで、ルネの倒錯は舞台に吊るし上げられる。
母親は更に娘に迫り、彼女の秘密を暴き立てる。
「おしまいまでおきき。アルフォンスは黒ビロードの満とを室内で羽織り、白い胸をはだけていた。その鞭の下で、丸裸の5人の娘と一人の男の子が、逃げまどっては許しを乞うていた。長い鞭が、城の古い軒端のツバメのように、部屋のあちこちを飛び交わした。そしてお前は・・・」
「ああ!(ト顔をおおう)」
「天井の枝付燭台に手を吊られていた。丸裸で。痛みに半ば気を失ったお前の体の、雨のえにしだの幹に流れる雨滴のような血のしずくが、暖炉のほのおに映えてかがやいていた。公爵は少年を鞭でおどかして、公爵夫人の身を清めるようにいいつけた。少年はまだ背が低かったので、椅子を踏み台にしてお前の吊られている体にとりつき、・・・・・・どこもかしこも、(ト舌を出し)・・・・・・舌で清めた。清めたのは血ばかりではない。・・・・・・(間。)ルネ。(トルネに近付く。ルネしりぞく。)・・・・・・(ト更に近付く。ルネ更にしりぞく。モントルイユ、その襟元を掴む。ルネこれを両手でふせぐ。モントルイユ、にわかに手を離す)」
もはやこれは母娘のやり取りではなく、神をも恐れぬ背徳的な交わりなのだ。
その責め具はぴたりとあわせたまぶたの裏にも燦然ときらめく言葉。そして品位は、手も下されずにおとしめられる。




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悪徳の栄え〈上〉 (河出文庫)
悪徳の栄え〈上〉 (河出文庫)
マルキ・ド サド 渋澤 龍彦 マルキ・ド・サド

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オススメ度:☆☆☆☆★
オススメポイント:あんたかっこいいよ


ロング・グッドバイ
ロング・グッドバイレイモンド・チャンドラー 村上 春樹

おすすめ平均
starsハルキ“マーロウ”はイカす・・・
starsうまいのは、翻訳か、原作か
starsギムレット
stars最初から最後まで
stars数十年の思い込み

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ハードボイルドとはかたゆで卵から転じ、冷徹・非情さを表す。
文学上、ヘミングウェイなどの感情を排除した文体による表現手法のこと。
またその応用とされるハメットやチャンドラーによって確立されたミステリーの1ジャンルもこのように呼ばれ、非情な探偵を主人公とする。
・・・念のため、辞書を引いてみた。

しかし、「長いお別れ」主人公のフィリップ・マーロウを非情という人はいないだろう。
ロマンティックなフィリップ・マーロウ。権力を嫌い孤独を愛す。誰かに痛めつけられてもめげない。金には興味がない。政財界の大物の圧力にも卑屈にならない。絶世の美女にせまられても虜にはならない。タフな男。
彼は出だしから最後まで、かっこよさを失わない。
これはある友情の物語である。孤独を愛する男が唯一友達と認めた男の名誉のために危険を冒して戦うのだ。
面白くはあるけれど、これはミステリーなのか?と思いながら読み進み、終盤になってやっとこれは本当にミステリーだったということを思い知らされる。事件は解決したはず、と思ってからさらにおどろきの真実が待っている。序盤マーロウが「ふたりの人間の命を救えるはずだった」、と述懐した数勘定が、最終的にストンと割り切れて収まってしまう。そんな展開が快い。
男同士の友情、そして美しい別れ。ヒロインの魅力が登場ごとに別の顔を見せるのも素晴らしい。
「ギムレットを飲むには少し早すぎるね」
この瞬間に痺れた。
ここで誰もが痺れるのだ、そう解るのに、それでも痺れずにはいられない。名作とはそういうものだ。
ハードボイルドの最後は事件解決による美しき平和でしめくくられはしない。戦いの続行が語られるだけだ。その孤独という生活スタイルそのものが彼の戦いである。彼が戦っているのは悪ではなく、群れることで必ず失われる正義なのだ。




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オススメ度:☆☆☆☆★
オススメポイント:音楽

屈辱ポンチ
屈辱ポンチ町田 康

文藝春秋 2003-05
売り上げランキング : 105695

おすすめ平均 star
starやっぱり町田は面白い
star最高
starおもしろすぎ

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とにかく気持ちいいのだ。
不条理な世界に溢れるやさしさ、リアル。
世間からの疎外?いやちがう。疎外されているという感じはない。疎外というのは心の問題で、社会的な位置と完全に一致しているわけではないのだ。
定職についていず金も人生の確たる目的もないという主人公の設定が社会的地位だとすれば予想される心は焦りや苛立ちだろう。しかし疎外感とは「何かを手に入れなくてはならぬ何者かにならねばならぬ、自分以外の皆は何かを手にした何者かであるに違いない」、という陥りがちな思い込みによるもので、これは客観的に考えれば馬鹿馬鹿しい妄想でしかない。他人のことは常に人生のさまざまな事柄をうまくこなしているように見えがちなものであり、要するに人は自分の人生ばかりは伝記や大河小説を読むように椅子に腰掛けて眺め楽しむことはできない、見聞きするのと生きるのとでは、人生は全然別個のものなのだ。
どうやら町田康の小説の主人公たちはそのことだけはきっちりと理解している様子なのだ。面白いのは「俺はこれでいいのだこんな人間なのだ」、と書かれ主張されているわけではないということだ。なのにそう感じさせる強烈な個性、それは音楽性だ。
「けものがれ、俺らの猿と」のストーリー。妻が家を出て行き奇妙な羽虫の巣窟となった自宅、奇妙な老人から持ち込まれた映画の脚本の仕事、とびついてシナリオハンティングするうちに環境問題がらみの闘争に巻き込まれ、奇矯な大仏に笑い転げたがゆえに発作を起こす連れ、助けを呼ぶつもりがエキセントリックな男に軟禁され俳句三昧、火事に乗じ猿を伴って逃走、最後は蟻が沈んだミルクセーキを出す薄汚いレトロな内装の喫茶店で店員の振りをしつつ、The END。
この不条理な展開を語る視点は物語の流れと共に常に休むことなく前進している。流されているわけでもなく流れを作っているわけでもない。この時間との完全な一体感。これこそが町田康の真骨頂だろう。読んでいるというよりは、聴いている感じなのだ。またその読み味、喉ごしが良い。繰り返し読める。
読み終わったあとに残る深い爪あとがあるかというと、ない。
音楽と同じで、流れ、消えていくのだ。残るものは言語でなく、体の記憶だ。
この、作品自体の持つ質感が、登場人物の社会的地位からかけはなれた自由の感覚を生んでいる。



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けものがれ、俺らの猿と
けものがれ、俺らの猿と町田康 木田紀生 久保直樹

おすすめ平均
stars鳥肌実の圧倒的な存在感。
starsぐふぇぐふぐふぉぐふぁふぁ、だ、大丈夫でございやすよ
stars2トーン
starsけっこう愉快な世界観
stars大好きです

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オススメ度:☆☆☆★★
オススメ対象:男に体を売ったことのある女・男に心を売ったことのある女
オススメポイント:おとこがおんなの一人称をかりるとき

4061960504白痴・青鬼の褌を洗う女
坂口 安吾

講談社 1989-07
売り上げランキング : 83,670
おすすめ平均

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坂口安吾というひとは、男性の主人公を書かせると、女性賛美と女性不信がない交ぜになったこそばゆいことを言い出すのだが、三人称の寓話の美しさと女性の一人称の小説は比類ない。
女形と同じく、そこに架空の性、女性を超えた女像が現出する。
「青鬼の褌を洗う女」は、戦後を妾として贅沢にくらす女から見た、男女の仲のかわゆらしさやかなしさを描いている。
ぽうっとあたたかな色香の湯気を帯びたもち肌におもわぬ底冷えするまなざしを持った女。
彼女は、愛は感謝だ、という。養ってもらい贅沢をさせてもらっていることに対する感謝で、自分をそれほどまでに可愛がってくれる年取った旦那への報いだ、と。そして彼女自身の若さが引き起こす浮気などはものの数ではないし、彼女はそんなものにほんとうの執着はない。
彼女は同性の友人たちに白々とした視線を向ける。身持ちは堅いがすぐに美しい男に心を奪われる女や、身寄りがないがゆえに貞操だけをたよりにして一人生きている処女に。だからといって彼女達を断罪して一線を画することは彼女の性分にはないのだ。妾として生きる覚悟など、ない。「どうでもいいの、それだけのことよ」と、彼女のこだわりのなさは、汁粉のようにとろとろゆるゆるアツ甘く、もどかしい。
自分をただただ愛している年老いた金持ちのけなげさを、彼女は愛らしがって微笑むけれど、もちろん男の絶望は深い。抱きあいながらも、どちらが鬼でどちらが仏なのか、どちらが美でどちらが醜なのか。
戦後には妾という身分にしかなかったモラルが、今世相を覆っている。
性は売られ、心は見失われている。
でもそこにたおやかな詩情がないのは、やはりそれがリアルな女の一人称だからなのか。



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オススメ度:☆☆☆☆★
オススメ対象:身に覚えのある人
オススメポイント:ふとぶととした性、生
4062639106犬婿入り
多和田 葉子

講談社 1998-10
売り上げランキング : 76,623
おすすめ平均

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先日どこかのチャンネルで、プログラムの2,3分の隙間に埋め込まれた小さな番組を見かけた。それは虫たちが出す音を扱っていたが、私が目を引かれたのはトノサマバッタの交尾だった。大きなメスの背中に小さなオスが乗るというスタイルの交わりのさなかに、メスは延々と草を食んでいるのだった。不用意に触るとじりじりしみる傷になる、長細い草の葉を。シャクシャク、シャクシャク、と。
その性にひどくなつかしい思いがしたのだった。

多和田葉子はドイツ文学の研究者でもあり、翻訳家でもあり、詩人でもある。この作品では芥川賞も受賞した。彼女の唇からこぼれる言葉は単なる手段ではなく、ひと粒ひと粒おかしみのある生命を帯びて跳ね、あそびだす。まるでことだまの巫女だ。

性の話に戻ろう。
人の性的興奮は性そのものに誘発されることはそれほどなく、むしろ人が性を持っているという驚きや裏切りに誘発されることが多い。倒錯した性的嗜好に特化されたことではなく、それはただ単に「あの人があんな手をしている」ということでもよく「じぶんがこんなによこしまである」ことでもよい。営みそのものがタブーの作法なのだ。
けれども性は性として静かで太い地下水脈のようにこんこんと途切れることなく独自のサイクルで回っている。時折そのことを思い出す。そこは光の届かぬ世界。他者も自己もない抑圧も解放もないところ。

「犬婿入り」に描かれている性は、そういったたぐいのものなのだ。手続きなしのふとぶととした交わり。あっとおどろく懐かしさ。体験はないのに、なぜかある身に覚え。何をかなぐり捨てることも忘れる我もなくただ隣にある得体の知れぬ性。
そこがまた、巫女たるゆえんなのだ。

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オススメ度:☆☆☆☆★
オススメ対象:父親。人間関係に疲れた人。田舎暮らししたい人。
オススメポイント:言葉以前、言葉以降

4122034973季節の記憶
保坂 和志

中央公論新社 1999-09
売り上げランキング : 31,963
おすすめ平均

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離婚して緑深い鎌倉に幼い息子と暮らす父の日々。
朝食のスープを毎晩作り、息子の教育にじっくり向き合い、近所の兄妹のところで飯を食い、毎朝鎌倉を散歩する。
時間がゆったりと流れていくなか、モノゴコロつくとつかないとのはざまで今しかないときを暮らす息子の姿から、言葉以前、言葉以降というテーマが織り成される。
息子「クイちゃん」はおそらく作者自身の息子がモデルであろう、かぎりない愛情の視点から描かれている。私が一番好きなのはクイちゃんがケーキを楽しみにするシーンだ。

「それもこういう三角じゃないんだよ。
 丸いケーキなんだよ。まぁるいケーキにイチゴがいっぱいのってるんだよ」
 息子は喜びが高じて目つきが虚ろになっていた。

言葉以前、言葉以降、を区切るのは、クイちゃんが文字というものを知るという出来事だ。
父は息子が文字を覚えるのは遅ければ遅いほど良いと思っている。息子が他の大人が覚えていないふすまの模様を記憶しているのは文字を知らないがゆえであるという。平凡なふすまの模様などは言語の機能である抽象化や象徴化によって切り捨てられてしまうのだという。
だから文字を知らないほうが世界は豊かなのだ、と。
それはどうだかわからない。
言語の世界に踏み入ることで人は種族としての宿題を引き継ぐことができる。そこにはそれなりの豊かさがあるとは思う。
けれどこの小説にはそれとは別なある豊潤があって、確かに子供の頃に網膜に焼きついた色彩や肌に沁みた寒さ暑さを思い起こさせる。
それは息子への愛情やもったりとした長いセンテンスの独特の文体と共に、息子への教育の理想主義や実験性(私自身実験的に育てられたからよくわかるけど)、作者のときに偏屈と思えるような理屈っぷりを包み込んでいる。

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オススメ度:☆☆☆☆★
オススメ対象:肉体を走り抜けていきたい人へ
オススメポイント:美しい幻想

4480022775エレンディラ
ガブリエル ガルシア・マルケス 鼓 直 木村 栄一

筑摩書房 1988-12
売り上げランキング : 6,379
おすすめ平均

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短編集。どの話も良いが、短編集タイトルとなっている
「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」
は特に素晴らしい。
美しい少女エレンディラは祖母と二人暮し、お屋敷に住むお嬢様だ。支配的な祖母の命じるままに家事労働をこなす彼女はある日、疲れのために失火、全財産を失ってしまう。
祖母はエレンディラをベッドに鎖で繋ぎ客を取らせてその損を回収しようとする。
ガルシア・マルケスの肉体が単なる物体にされてしまう感覚が好きだ。その摂理のもと、彼の美しい幻想は目に見え肌に触れるものとなる。そこでは緑の血の流れる祖母の夢遊に明かされる過去の禍々しさも、テントの外に長蛇の列を成す男たちに下腹がなぐられたようになるまで犯されるエレンディラも、おとぎばなしのように輝く。トルマリン、アメジスト、トパーズ。
最後には、彼女を愛する男によってエレンディラは自由を手に入れる。
めでたしめでたし?
まさか。
エレンディラは自分のために殺人すら犯した男のことを置き去りにして、何にも引き止められず振り返らず走っていったのだ。
彼女は走る、どこまでも、どこまでも。
自由、自由、自由。

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オススメ度:☆☆☆☆☆
オススメ対象:道理・筋道に飽いた人
オススメポイント:新鮮な面白さ

448002154Xケルト幻想物語
井村 君江

筑摩書房 1987-08
売り上げランキング : 36,978
おすすめ平均

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つじつまの合わない話が好きだ。
ぴしっとつじつまのあった話も素敵だけれど、つじつまの合わない、それでいてなんだか説得されてしまう、迫力のある話が、好きだ。

この本はアイルランドの妖精や魔女などの民間伝承を集めて編んだ短編集。
ケチな怠け者が悪魔をとことんだまして財産を巻き上げる話は、ヒーローじゃなくてけちな悪人だってところがおもしろいと思わない?
ミルクを盗まれる話も、「アイルランドにはミルクを盗まれる話が多くあります」ってだけでにやりとしちゃう。
ひとつお気に入りを紹介「クイーンズ地方の魔女」。
ある日のこと、僧侶が向こうから下半身が歩いてくるのを目撃する。(下半身?!)話しかけるけど返事がない。(話しかける?)鞭打つと苦しんでのた打ち回り、(聖書とか使えよ!)牛乳を撒き散らして(でたっ牛乳)靄が掛かったようになり、気付くとこの界隈で悪名高い老婆が牛乳の真ん中で溺れかけている。この老婆、牛を一匹しか飼っていないくせにこの近辺の誰よりもいっぱいバターを売っていた。(あ、怪しすぎ)老婆は下半身にばけて(下半身・・・)近所の牛乳を盗んでいたのだった。

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オススメ度:☆☆☆☆☆
オススメ対象:寝物語をせがむ人
オススメポイント:なんという官能、しびれるほどアラビア
4480038418バートン版 千夜一夜物語 第1巻 シャーラザットの初夜
古沢 岩美 大場 正史

筑摩書房 2003-10-13
売り上げランキング : 3,635
おすすめ平均

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神話的に淫蕩、夢幻のごとき鮮やかさ。
”第十一夜 バグダッドの軽子と三人の女 最初の托鉢僧の話”
若い王子が従兄にされた頼み事、それは妹と共に生きながら墓に閉じ込めてくれ、ということだった。世間を欺き神を裏切り実の妹と契った従兄弟は、金持ちの豪奢な廟にヴェールをまとった妹と共に忍び入り、入り口を塗りこめさせる。その地下の世界には、埋葬された主人の死後の世界を約束するために、家具調度全てととのえられているのだ。
やがて秘密の重苦しさが若い王子にことの次第を伯父に打ち明けさせる。二人は泣きながら墓を暴き、変わり果てた恋人達の姿を見出す。彼らはしっかりと抱き合ったまま寝台の上で、黒こげになって死んでいた。
アラーが彼らの罪を罰したのだ。
なんという甘美な罰。剥きたての梨が目の前で濡れて光る刹那、宝石のエロス。

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