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漢方小説(中島たい子/集英社文庫)

ここでは、「漢方小説(中島たい子/集英社文庫)」 に関する記事を紹介しています。

オススメ度:☆☆★★★
オススメ対象:30代女性

漢方小説 (集英社文庫 な 45-1) (集英社文庫 な 45-1)
漢方小説 (集英社文庫 な 45-1) (集英社文庫 な 45-1)中島 たい子

集英社 2008-01-18
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おすすめ平均 star
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31歳の女性みのりちゃんは、ある日昔の彼から「結婚するんだ」と告げられる。それを発端に、全身が話もできないほど激しく震える「自動ロデオマシーン」の発作が彼女を襲う。

救急車に乗せられて行った大学病院を発端に4件の病院をまわってみたけれど、いずれでも内科的な診断が下らず心療内科受診を仄めかされるだけ。二度と通う気にはなれない。5件目で受診した東洋医学、それがみのりちゃんと漢方 との出会いだった。

漢方の処方とその医師へのほのかな恋心によって、次第に彼女は回復していく。

発作に見られる体調不良というか健康の危機は、みのりちゃん自身の人生の現状を解りやすく表面化したものだ。劇的に解決なんかできない色々を抱え、特効薬もなく、手術もできない。30代始めの典型的な憂鬱が描かれている。
見た目がみっともないわけでもなく、口説いてくる男もいるし病院の先生にほのかな片思いもするけれども、だれかと恋に落ちることはなんだかなさそうだ。職業は花形の脚本家で映画のオファーも来るけど、ちょっとした大人の事情で簡単に他の人に挿げ替えられてしまう程度の地位でしかないみたいだ。
こんな下地があるところに、昔の彼の結婚や映画の仕事を下ろされるのはショックだ。けれども、そんなみのりちゃんの人生は彼女の震えの発作と同じく、病名というものは特になく、特効薬も手術法もないのである。
劇的な解決が望めそうにないのは、みのりちゃん自身が結婚したいって切望してるわけでもないし、脚本家として名を馳せようという野望もないから。こればっかりはどうしようもないのである。不幸ではない、幸せでもない。体だけはもどかしく何かを訴えてくる。

ストーリーは特に状況の変化がないまま終わる。
体調は回復するが、恋ははかないまま終わり、みのりちゃんにはいつの間にか身に付いた漢方の知識だけが残る。
自分から、別のものに生まれ変わるのではなく、この自分と共に生きていく、漢方の知恵によって、ゆるやかに、自分の体を知りながら。

西洋医学の、病名がつかなければ精神がおかしい、という苛酷な世界観に対して、漢方というもう一つの解決を打ち出しているところが面白い。西洋医学の「肉体Vs精神」に対する東洋医学の価値観が描かれれば更に興味深いと思う。


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