※小説・文芸書のレビューは毎週金曜日更新です。 (その他のカテゴリー不定期)
評価(☆)の見方☆☆☆☆☆ 文句なしに良い本です。お金を出して損はありません。
☆☆☆☆★ 良い本です。読む人の好みによっては5つ星と同等でしょう。
☆☆☆★★ 暇つぶしには良い本です。私は中古で安ければ買います。
☆☆★★★ お金を出したのが悔やまれます。
☆★★★★ 時間を返せ!!怒りがこみ上げてきます。
※評価は、私個人の好みにAmazonでの平均評価を加味したものです。(Amazonより若干辛口の傾向です)
オススメ対象:肉体を走り抜けていきたい人へ
オススメポイント:美しい幻想
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短編集。どの話も良いが、短編集タイトルとなっている
「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」
は特に素晴らしい。
美しい少女エレンディラは祖母と二人暮し、お屋敷に住むお嬢様だ。支配的な祖母の命じるままに家事労働をこなす彼女はある日、疲れのために失火、全財産を失ってしまう。
祖母はエレンディラをベッドに鎖で繋ぎ客を取らせてその損を回収しようとする。
ガルシア・マルケスの肉体が単なる物体にされてしまう感覚が好きだ。その摂理のもと、彼の美しい幻想は目に見え肌に触れるものとなる。そこでは緑の血の流れる祖母の夢遊に明かされる過去の禍々しさも、テントの外に長蛇の列を成す男たちに下腹がなぐられたようになるまで犯されるエレンディラも、おとぎばなしのように輝く。トルマリン、アメジスト、トパーズ。
最後には、彼女を愛する男によってエレンディラは自由を手に入れる。
めでたしめでたし?
まさか。
エレンディラは自分のために殺人すら犯した男のことを置き去りにして、何にも引き止められず振り返らず走っていったのだ。
彼女は走る、どこまでも、どこまでも。
自由、自由、自由。
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