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ノルウェイの森 (映画)

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オススメ度:☆☆☆☆★
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評価

by G-Tools , 2012/05/30



あらすじ:


親友キズキの自殺のショックから、ワタナベは東京の大学に進学する。そしてキズキのガールフレンドだった直子と再会し、運命の恋に落ちる。直子は既に精神を深く病んでいるが、ワタナベは自分を愛していない直子に深い思いを抱き続けるのだった。

キャスト:


ワタナベ - 松山ケンイチ
直子 - 菊地凛子
緑 - 水原希子
永沢 - 玉山鉄二
キズキ - 高良健吾
レイコ - 霧島れいか
ハツミ - 初音映莉子
突撃隊 - 柄本時生
大学教授 - 糸井重里
レコード店店長 - 細野晴臣
阿美寮門番 - 高橋幸宏

監督・脚本 : トラン・アン・ユン
音楽 : ジョニー・グリーンウッド


感想:


心象風景の暗さや、人物の透明感がとても良く出ていました。

役者さんはどの人も役柄っぽく演じていて違和感がありませんでした。
特にミドリの雰囲気は、小説で描いていたのとはもちろん違っていたのに、映画を見たあとでは水原希子以外に考えられないくらいです。
霧島れいか演じるレイコさんは、私が想像していたよりずっと若くて素敵でした。
もっと、ワタナベくんがセックスするのが意外なくらいのおばさんだというイメージでした。


ワタナベくんって、小説読んでるときは村上春樹とオーバーラップして、何やっても「村上春樹らしいな」と思ってしっくりきてたのですが、松山ケンイチが演じる映画を見ると、
「ワタナベくんって、変わってる!」
ということを改めて感じます。

例えば、直子に惹かれるのも、直子から離れられないのも、とても変わってると思うんです。

全てを忘れて新しくやり直すために東京に出てきたのに、再会した直子と頻繁にデートするのは、普通の感覚では理解しにくい。

小説では、キズキと直子との三人の関係が特別なものだったということがよくわかります。
それゆえに、直子との関係もまた深くなるのです。
小説は映画に比べてそういった失われたものへの「愛着」や「執着」を描きやすい媒体なのだろうと思います。


完璧で神聖だった三人の関係は、キズキの自殺によって呪われたものになってしまいます。


直子とセックスして彼女が処女だったことを知っても、キズキの存在感は一向に弱まりません。

それにしたって、映画での「キズキとは寝なかったの?」という質問のタイミングはいくらなんでもあり得ないと思うのですが…まだ中に入ってるくらいのタイミングですよね。
だからダメなんだよ!と舌うちしてしまいました。

キズキの自殺によってとりかえしのつかないダメージを負ってしまった直子は、ワタナベくんにとって、傷付いた自分の青春そのものです。彼女を癒し、支えることがワタナベくんの人生にとって重要な使命になります。

小説では、大学の学生運動に対する疎外感がはっきり書かれています。
「疎外感」もまた、映画では表現しにくいのでしょうか。
何かドラマを挿入するか、モノローグではっきり言わないと伝わらないですよね。

ワタナベくんの世間での疎外感と対比して、生きた人間を感じるのが直子と緑という二人の女性との出会いです。


ほとんどの男性が緑を選ぶと思うのです。
心に重い病気を抱え、死んだ友達を常に思い出させる女性よりも、容姿も見劣りなく健康ではつらつとした緑のほうが断然良いと思います。

それでも小説を読んでいると、なぜか直子のほうに惹かれてしまう。そちら側へ行ってしまいそうになります。

映画のほうがスッと得心が行くこともありました。
直子の自殺です。
小説のノルウェイの森は何階読み返しても、直子に死んでほしくない、ワタナベくんと手に手を取り合って生きて行って欲しい、と思って読んでいますが、映画で見ると、
「直子にとってそのほうがよかっただろうな。よく自殺したな。」
と評価する気持ちがあり、自分でも驚きました。
「ワタナベくんにとってもこのほうが良かったよ、きっと」
とすら思っていたのですから。


ただ、そもそも、キズキってどうして自殺してしまったんでしょうね。
そう思いませんか?

キズキの自殺の動機って不明のままで、なんというかおしゃれな感じで描かれてると思うんです。小説でも映画でも。おしゃれな自殺って、変ですが。非現実的というか。

そのことをもっともっと突き詰めても良いような気がするんです。
映画としても、読者としても。

それが幸せに繋がるかはわかりませんが。

ノルウェイの森全体を覆っている呪いは、キズキの死が軽すぎることで生じているような気がしています。

全体の重苦しさの中で、キズキの死はあまりにも軽い。

幸せそのものに見える若者が何の前触れもなく死ぬのは、この世界に全く意味が無い、というメッセージだから。



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