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ルポ 児童虐待 (朝日新聞 大阪本社編集部)

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オススメ度:☆☆☆☆☆
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ルポ 児童虐待 (朝日新書)
朝日新聞 大阪本社編集局
朝日新聞出版 2008-07-11
評価

児童虐待―現場からの提言 (岩波新書) ネグレクト―育児放棄 真奈ちゃんはなぜ死んだか (小学館文庫) 誰か助けて 止まらない児童虐待 (リーダーズノート新書) 「生存者」と呼ばれる子どもたち  児童虐待を生き抜いて 子ども虐待 (講談社現代新書)

by G-Tools , 2012/06/10



あらすじ・概要:


本書は、2007年5月から08年3月まで全7部、計135回にわたって朝日新聞大阪本社発行番の社決めんで連載した「ルポ虐待」に一部加筆し、再構成したものです。
     (中略)
虐待には様々なケースがありますが、新聞連載でも本書でも、性的虐待は取りあげていません。被害者にアプローチしましたが、身体的虐待、精神的虐待、ネグレクト(養育放棄)とはまた違った問題をはらんでいて、取材も難しく、記事化には至りませんでした。引き続き取り組むべきテーマだと考えています。
                          (あとがきより)

感想:



読み応えがあってわかりやすく、児童虐待についての入門書として良書。
児童虐待と、それに関連した話題をまんべんなく扱っています。

私はTVやネットで児童虐待のニュースを目にすると、不安を感じます。
それは、わずかとはいえ自分の子育てに共感する部分があるから。

「どうしてこんなひどいことを」と思う反面、「でも、あり得る」とどこかで考えている自分がいて、ひやりとするのです。

そのわずかな共感する部分は、3つあります。

1つ目は、多忙で重労働である子育てのストレス。

2つ目は、親にとって、子供は非常に弱い立場でありながら同時に圧倒的に強い立場でもある。

3つ目は、子供は自分が愛されてると思い込む能力があって、助けを求めない。

この3つは子育てのブラックホールのように私には思えるのです。
暗くて見えない、でも抗いがたい吸引力。

ニュースなどで凶悪な児童虐待の背景の説明には、上記の3点が含まれていることが多くて、「暗くて見えない向こう側にあるものは、児童虐待なのだろうか…」と暗澹たる気持ちになります。

私自身、子供をたたくこともありますし、怒鳴ることもあります。しつけとしてやむなくという場合もありますし、そうすることでスッキリすることもあります。

どこまでが健全でどこからが虐待なのか、境界線はあるはずですが目に見えません。


私がこの本を読んでとても良かったのは、健全な子育てと虐待との境界が私なりにはっきりと見えたことです。

健全な子育てと虐待との境界には、2本の線があります。

1本目は、私が虐待をしているなら、私は絶対にそのことを自覚しているはずだ、ということです。
そうでないなら、虐待はしていないのです。

虐待をしている側は本人がちゃんと自覚があるんです。
「虐待なんかしてない。しつけをしていただけだ」
という言葉が沢山の児童虐待の事件で聴かれますが、それは児童相談所や警察や裁判所とかに直面したときに「子どもを取られたくない」「つかまりたくない」「罰せられたくない」ために対策や苦しい言い逃れをしているに過ぎず、実際は100%虐待している自覚があります。(精神が正常である場合)

2本目の線は、虐待されている子どもは必ず何か目に見える影響があるはずです。
傷や病気、挙動に絶対に現れるということです。


もちろん親の身勝手さや無神経さ、未熟さで子どもは傷付きます。
できるだけ少なくし、理想の子育てに近付けていきたいと思います。でもそれを虐待に繋がる芽として誤って捉えることが子どもにとって良い影響があるのかというと、私の場合は悪い影響しか出ないような気がするのです。

犯罪に繰り返し共感することはとても危険だと思います。
人間として共感できる部分はある、でも同じように人間としてどうしても相容れない部分もある。

相容れない部分に注目することで共感を断つ、私にとってその相容れない部分とは親本人の自覚と子どもの状態でした。

しっかり子育てできてる、子供は立派に育ってる、と自分で誇りに思えることが健全だと思います。

すごく気持ちが楽になり、肩の力が抜けました。





虐待の背景にあると考えられるリスク要因  (厚生労働省の「虐待対応の手引き」)
【保護者側】
   望まぬ妊娠
   自身の虐待された経験
   育児に対する不安やストレスなど

【子ども側】
   乳児期であること
   何らかの育てにくさを持っているなど

【養育環境】
    内縁者や同居人がいる家庭
    親族や地域社会から孤立した家庭
    経済不安や夫婦不和などのある家庭



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ルポ 児童虐待 (朝日新書)
朝日新聞 大阪本社編集局
朝日新聞出版 2008-07-11
評価

児童虐待―現場からの提言 (岩波新書) ネグレクト―育児放棄 真奈ちゃんはなぜ死んだか (小学館文庫) 誰か助けて 止まらない児童虐待 (リーダーズノート新書) 「生存者」と呼ばれる子どもたち  児童虐待を生き抜いて 子ども虐待 (講談社現代新書)

by G-Tools , 2012/06/10



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目次:


第1章 「鬼父母」と呼ばれた夫婦
  どこにでもある幸せな家庭
  未熟児の双子を懸命に育てる、いいお母さん
  1歳、2歳、3歳……幸せな子育ての時間
  4歳―――徐々に家に閉じこもり始める
  うまくいかないトイレトレーニング
  「しっぺのまねごと」がエスカレートしていく  
  追いつめられていく母、父、そして娘
  なぜ、子どもたちをベッドに閉じ込めたのか
  そして事件は起こった
  自分も、父親に暴力を振るわれて育った
  母からも、暴力と言葉による虐待を受け続ける
  高校を卒業しても、虐待は続いた
  虐待を続けた両親の証言
  なぜ暴力を止められなかったのか―――精神鑑定医による分析
  判決の日

第2章 虐待をやめられない
  虐待の主な加害者の6割以上が「実母」
  暴力をやめる方法を、教えてほしい
  どうすれば、長女の火遊びを止められたのか?
  「しつけ」という大義名分
  親子連鎖を断つ会―――悩みを分かち合う
  3人の子どもの、真ん中の娘だけに暴力を振るってしまう
  (データ編)母親にのしかかる育児負担

第3章 児童相談所24時
  2000年、児童虐待防止法の施行
  全国に116ヶ所ある、一時保護所
  過労に苛まれる職員の生活
  児童虐待防止法の改正案にも影響を与えた、岸和田の虐待事件
  職員も、暴力の危険にさらされている
  一時保護中は、学校へも通えない
  難しい、子どもを親元に帰すタイミング
  「積極介入、親子分離」で、問題は解決するのか

第4章 児童養護施設の子どもたち
  児童養護施設で暮らす子どもの、半数以上が虐待の被害者
  十分な食事を与えられてこなかった
  施設の夜
  緊急時の「一時保護」の役割
  傷ついた子どもたちを、どう支援するか
  施設の職員は、学校の保護者懇談会にも出席する
  児童養護施設からの「卒業」
  サトシ君が施設に預けられた事情
  万引きを繰り返してしまう
  母親に負わされた、やけど
  恨んではいない、でも、捨てられた理由は知りたい
  (データ編)児童養護施設の歴史と現状

第5章 里親と育つ
  血縁でない子どもたちを育てる「里親」
  専門里親―――虐待された子や非行の子を預かる
  ゆっくり、ゆっくり心を開いていく
  里子との別れ
  6人の里子を育てる
  ネグレクトの影響で、うまくものを食べられない子ども
  実の親と、育ての親
  (データ編)里親制度

第6章 傷ついた子と教師たち
  不登校と、虐待の可能性
  家庭訪問しても、生徒に会えない
  教師の判断が、少女の命を救った
  教師にも迫る、身の危険
  教室で、虐待を受けた子と向き合う
  暴力と自傷行為を繰り返す
  一度も学校に通ったことがない中学生
  教師ができることの限界
  親元に戻った途端、学校に行けなくなる子
  計算問題で「自尊感情」を育てる

第7章 回復に向けて
  グループミーティングの力
  「住所や電話番号を交換しない」という約束事
  「仮面」を一枚、一枚はがしていく
  被虐待児ケアの第一歩は、安心安全な環境づくり
  木と自分の仲良しについて、絵を描いてもらう
  アイちゃんの「四重人格」に気づいたきっかけ
  虐待の事実と向き合う治療
  見守りネットワーク―――多くの期間が連携して子どもを守る
  見守るか、保護するか、ギリギリの判断

  虐待問題の専門家による『座談会』
  「疑わしきは保護せよ」という意見について
  虐待問題に関する国の制度の問題点
  警察、司法が果たすべき役割
  どうすれば、虐待を防ぐことができるのか

全国児童相談所一覧

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2012/07/02(月) |

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