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まほろ駅前多田便利軒(三浦しをん)

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まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)
三浦 しをん
文藝春秋 2009-01-09

まほろ駅前番外地 (文春文庫) 月魚 (角川文庫) 風が強く吹いている (新潮文庫) 仏果を得ず (双葉文庫) 私が語りはじめた彼は (新潮文庫)

by G-Tools , 2013/05/05


人のプライベートを覗く職業を主人公にすると、シリーズ化しやすい。
ネタが尽きないから。
医者が主人公なら生死の境の人間ドラマが描けるし、刑事が主人公なら社会のルールを軸にやはり人間が描け、弁護士が主人公なら欲望が人間を浮き彫りにする。
医者・警察・弁護士といった権威の側ではなく、末端の労働者にも人のプライベートを覗く職業がある。
お手伝いさん、お掃除の人、ベビーシッター。
便利屋もそのひとつだ。

東京都下まほろ市で便利屋を営む多田は、駅前で高校の同級生、行天(ぎょうてん)と再会する。
無一文、素足に健康サンダル、極寒の正月の夜に。
行天とは忘れることのできない因縁があった。
ちょっとした出来心で、障害を負わせてしまった罪悪感。
そして、行天に居座られる形で、なしくずしに多田便利軒を二人でやっていくことになる。

三浦しをんらしいのんびりした登場人物に、意外と重たい過去があることが徐々に明らかになっていき、かといってそれがどこにも向かわず解決しないところが良かった。

東京都南西部最大の町という、町田がモデルとなったまほろ市。
私自身多摩出身なので、「この雰囲気よくわかるなぁ」、と思う。

そこにいると十分足りてしまう。

今住んでいる品川よりはるかに豊か。
綺麗な空気、広い空、待たなくても座れるベンチ、子供が探検しつくせないほどの公園もある。
レストランだって、デパートだって、大型の映画館だってあるし、敢えて新宿や渋谷まで出なくても十分おしゃれもできるし文化的に暮らせる。
品川区の公園は、多摩では「植え込み」くらいでしかない。せせこましい道をガタゴト走るベンツや潰れた三角形の土地に無理やり建てられた木造の家は、多摩には存在しない。
都心への距離も、週末のお出かけだったら全く気にならないし、子供のいる勤め人でも奥さんが家にいてくれる人なら通勤時間も問題ない。

ソープ街は私の住んでいた市には無くて、むしろ品川にたくさんあるけど、
でも、その充足して閉じられた地域の中に、ちゃんと上流の人々と下流の人々のコミュニティがあって、そういった「階層」があると社会にすごくリアリティが出て、住む人を安心させる。その安心がその土地に住む価値なんだな、っていう、そういう空気は同じだなぁと思う。

まほろ駅前シリーズ、どんどん出れば良いのになぁ、と思う


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まほろ駅前多田便利軒 (文春文庫)
三浦 しをん
文藝春秋 2009-01-09

まほろ駅前番外地 (文春文庫) 月魚 (角川文庫) 風が強く吹いている (新潮文庫) 仏果を得ず (双葉文庫) 私が語りはじめた彼は (新潮文庫)

by G-Tools , 2013/05/05


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