最近やっと、文学作品とビジネス書、実用書を同じ☆基準で考えちゃだめだなと気付きました。(遅 (2009.10.18)
オススメ対象:不明
ツッコミポイント:経済は本当に知りたいことを教えてはくれない
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経済ってゴシップだ。
人間にコントロールできるようなものではなくて、できることといえばある現象を『暴く』こと、そしてせいぜい虚構を『でっち上げる』こと。しかしその効果はといえば予測不能でままならず、真摯な期待を寄せれば足下を掬われる。
マーケティング・アナリストが書いた本とのことで現実的等身大な視点の面白さは抜群だ。学者ならば到底できないような軽率なレッテル決め付け、他人の著作へのお気軽でそれなりに機転の利いた嘲弄。
階層の固定化、貧富の格差拡大、今のキーワードとなっているこれらの現象を、面白おかしく書いているという点では評価するけれど、肝心の「下流」という言葉に集約されている「ダメなやつら」という見下げた視点が、非現実的。
この本における下流の人間とはすなわち「上昇志向がない」人間のことなのだけれど、上昇志向とは経済という狭い観点からのベクトルに過ぎない。経済力や社会的地位を上昇させることがより良い生き方だとする考えは今の主流ではなくなっている。それはわかりきっているのにあえて「眉をひそめてみせる」姿勢は、ゴシップ好きの読者層をマーケティングした結果なのかしら、ね。
上昇志向が弱まるのは、豊かになったということだ。日本は豊かになった、とことん豊かになりきった。ほとんどのモノにそれぞれの価格帯での商品が用意されていて、ランクさえ問わなければ同じ目的のものが低い金額でも手に入る。
経済という古い指標で人生の価値を測れる時代は終わってしまったし、国民総なんとかみたいなベクトルは形骸もとどめてない。
がつがつ働いて何千万以上年に稼いで、ひとりよがりに『勝利』を感じて生きたい人もいれば、200万くらい稼いで、安い買い物をしながらモノ作りや貧乏旅行をして『自由』を感じて生きたい人もいるだろう。
所詮どちらも錯覚。生きて死ぬまでの持ち時間を壊滅的に発狂せずに過ごすためのワクチン的な軽い狂気。同じ錯覚を見れなくなったことがそんなに嘆かわしいか?
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