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「風の男 白洲次郎」(青柳 恵介/新潮社)

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オススメ度:☆☆☆★★
オススメポイント:ダンディズム
風の男 白洲次郎風の男 白洲次郎
青柳 恵介

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かっこよさって、信念を貫くことだと思う。
貫くっていうのは強さ。環境や状況に負けない、自分に負けないこと。
でも信念って何から来るのだろう。強さとか賢さとか、そういう属性からは出てこないもの。信念。
信念はきっと苦しみから生まれてくる。私はそう信じている。

白州次郎はかっこいい男だ。
二枚目でおしゃれで金持ちで学があって筋が通っていて骨があった。
資産家の息子として生まれた彼はケンブリッジに留学していたころを含め長く海外に在って世界情勢を知っていた。その達見から戦前から東京が空襲され日本が負けると見越し、都心を離れて鶴川で畑を耕して暮らしていた。
敗戦後の占領下、英語が喋れて政治もわかることからGHQとの交渉役に選ばれ、憲法制定に立ち会った。
吉田茂ら政府要人との関係が深く、表立った役職に付くことを嫌いながら常に昭和史の中心にい続けた。
ポルシェ911を乗り回し、ゴルフに興じる。弱いものに優しく、ユーモアを忘れない。
白州次郎は、そんな男だ。

こんな男もいた。戦争という時代にも。
でもこのことで、「こんなステキな人もいたんだ、日本だって捨てたものじゃない」なんて、第二次大戦の日本に関してはびこっている一面的な固定観念を簡単に和らげてしまうのは、安易すぎるだろう。
あの時代、軍部の台頭に反対しとどめようとした人々は数多くいたのだ。信念を持ち、強く賢く、気骨のあった人々が。でも彼らもどうすることもできなかった。彼らの多くは殺され追放され無視され、日本は大きな渦に飲まれて行った。その恐ろしさ。
どころか、東京裁判で裁かれた人々だって、信念を持ち、強く賢く、気骨があったのだ。優しくもあったろう、親切でもあったろう、命をだいじにもしたろう。その底のない恐怖。
誰も悪者になんかなってくれない。
でも悪いことは起こる。起こり続ける。続ける。

では何を考え続ければいいのか。
その信念を生み出した土壌を見るのだ。私の考えているとおり信念が苦しみから生まれるのであれば、その母たる苦悩を。それ以外の何かだと感じる人々は何らかのそれに代わる源泉を。
残念ながら、この本にはその源泉は、描かれて、いない。


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コメント
この記事へのコメント
白洲次郎さん、本当にステキですよね。
私は正子さんを好きになり、そして
今回のこの本を読みました。

>かっこよさって、信念を貫くことだと思う。 貫くっていうのは強さ。環境や状況に負けない、自分に負けないこと。

本当にそうですね。
次郎さんは自分に負けない人なんだなぁと強く思いました。
かっこよすぎます。
2006/06/05(月) 09:23 | URL | *ウタママ #-[ 編集]
コメントありがとうございます。
正子さんについては背表紙でしか見たことだがなく女流作家、というふうに思っていて、それ以外全然知らないんです。
これから読みたいと思ってます。
もしオススメの本があったらお教えください。

次郎さんのような人は、きっと現代にもいるのでしょうね。
そう思いますし、思いたいという気もします。
2006/06/11(日) 00:48 | URL | あにょ #YdDkysYI[ 編集]
10年程前NHKのあるドラマで白洲次郎さんを始めて知りました。
権力を笠に来てふんぞり返っている人間には容赦なく怒鳴り、まじめに働いている人には優しい・・今は上司に対して意見を言っても下手をすれば飛ばされたり首になったり・・
威張っているのが強い男と勘違いしている昨今、日本人としての気概を見せ付けてくれて近代の筋の通った男の典型なのでしょう。
白洲次郎は人に対して惜しみなく尽くしている人間とまじめに一生懸命働いている人を見ると頭が下がると書いています。白洲次郎の本は男女関係無く読んで頂きたいと思います。
2006/06/16(金) 11:51 | URL | みさ #-[ 編集]
筋の通った人って、なかなかいないですよね~。
儲けるとか好かれるとかの指南書が受けていますが、筋を通すっていうのは、受け売りではなかなかむずかしいよな~、と、自分を省みて思います。
白洲次郎関連のおすすめの本があったらおしえてください。
2006/06/19(月) 16:17 | URL | あにょ #djxH/9eE[ 編集]
初めまして。

>白洲次郎関連のおすすめの本があったらおしえてください。

というのを見て書き込んでいます。
もうご存じかも知れませんが、
『白州次郎 占領を背負った男』(北康利 講談社)
は、とても読み応えがありました。白州次郎の伝記に留まらず憲法制定の実情が書いてあり、大変考えさせられる内容です。
2006/06/20(火) 19:37 | URL | milesta #4On3Ze.o[ 編集]
コメントありがとうございます。
書店で見かけていましたが、読んだことはありませんでした。
milestaさんのコメントを見たら読みたくなりました。
図書館で借りて読もうと思います。
2006/06/20(火) 21:25 | URL | あにょ #djxH/9eE[ 編集]
はじめまして、私も白州次郎さんに興味をもつひとりです。
白州次郎で検索して来ました。とても詳細な記事ですね~! 

 あの時代背景の中で、堂々と連合国側と対応出来た日本人の存在は、私達に誇りと勇気を与えてくれるようですね!

 私もブログで白州さんについて記事にしました~よかったら遊びにいらして下さいね~ではまた!
2006/08/10(木) 12:46 | URL | ルーシー #7qx8asY6[ 編集]
コメントありがとうございます。
ルーシーさんのサイト見ました!
絵を描かれるんですか。じょうずですね~
2006/08/14(月) 09:29 | URL | あにょ #-[ 編集]
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青柳恵介著『風の男 白洲次郎』新潮文庫、を読みました。白洲次郎という名前は知っていましたが、恥ずかしながら詳しいことを知りませんでした。終戦後、吉田茂首相の信頼をうけ、終戦連絡中央事務局の参与として、GHQに対して一歩も引かず論戦をはっています。従順すぎ
2006/06/04(日) | あれこれ随想記 

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