オススメ度:☆☆☆☆☆
オススメポイント:開拓者精神
繰り返し読んだ回数は50は超えているだろう。もしかしたら100を超えているかもしれない。
「大草原の小さな家」は大ヒットTVドラマになったので知っている人も多いだろう。
大地を切り開き小麦を蒔き、狩りをし、良い土地を求め幌馬車で西へと移住していく一家。彼らの家族愛と独立心に満ちた開拓者精神は数々の危険や試練を乗り越えていく。
白人と関係が悪くなっていた先住民たちのたくさんの部族が家のすぐそばの川岸に集結し、戦いの準備の宴が夜更けまで響いたこと。とつぜん雲霞のごとく押し寄せてきたいなごの大群が豊作確実と思われた畑をバリバリと食いつくし、作物がばたばたと倒れていくさま。草原を襲う野火の恐怖。日照りによる不作。マラリア。しょう紅熱で視力を失った姉。突然死した息子。自宅の全焼。
思い出すだけでもローラ・インガルスの一生は波乱万丈だ。そして中でも私が大好きなのはこの「長い冬」。ダコタ州のドゥ・スメット(De Smet)は、ローラの両親が放浪の末に安住の地としたところ。払い下げ農地をやっと手に入れたその年の物語である。当時アメリカ政府は土地を開拓し農業で採算を確立することと引換えに、ただ同然の価格で西部の土地を払い下げていたのだ。あるときインディアンができたばかりの小さな町、人口100人ほどのドゥ・スメットにやってきて、カタコトの英語で告げる。今年の冬は大変な長い冬になるだろう。この土地では7年に一度厳しい冬がやってきて、三度目の7年目の冬は特に厳しい。吹雪は7ヶ月続くだろう・・・。
町の人々はその言葉をそれほど深刻視しなかった。7ヶ月の吹雪なんて、きいたこともない。一年の半分以上が冬だなんて、まさか。
ところがその予言は本当だったのだ。
十分に整備されていない町、開拓一年目でたいした収穫もなかった人々、彼らは鉄道で店に仕入れられる物資でこの冬を越すつもりだった。
しかしその鉄道が、止まってしまうのである。雪かきの間もなく繰り返される激しい吹雪で復旧できないのだ。
町から石炭が消え、小麦粉が消えてゆく。人々は飢え寒さに震える。
彼らがそのとき何をしたのか、は私が書くともったいないので物語にゆずるとして、ここでは書き手としてのローラについて触れよう。
ローラは自分の生涯を振り返って自伝的小説「大草原の小さな家」シリーズを書いた。彼女は決して巧みな小説家ではないが、文章から汲み取れるのは、ともかく自分が見たもの聞いたことを伝えようという使命感があったようだ。今読んでもよくわからないものや知らないことがたくさん出てくるのだが、彼女が小説を書いた晩年にも既に、それらの事物はなくなっていたのかもしれない。失われゆくものを語り継ごうと思ったのではないか。つまり、描写に得手不得手があって、へたなくせに一生懸命書いている部分が多くあるのだ。
へたなところ、それは物の構造、からくりの説明だ。私は何回読んでも彼女の説明する、グレースのもらった踊る人形の仕掛けや、父親が鉄道除雪の仕事にでかけるために乗っていった手漕ぎのトロッコの仕組みがわからない。右に行って左に行って左に曲がってまた右、と目印のないまま左右だけで指示される道案内のように、3節くらいで頭の糸がこんがらがってしまうのだ。
「大草原の小さな家」シリーズの日本での出版社は本によって分かれ、「シルバー・レイクのほとりで」、「大きな森の小さな家」、などは福音館、「長い冬」、「この楽しき日々」、などは岩波から出ている。私は岩波の方が好きだ。それは、挿絵が良いためである。挿絵そのものの愛らしさといったら福音館のほうが良い(原版初版の挿絵)。だけれど、岩波の挿絵は、ローラの説明が下手な部分を上手に補うように描かれていて、とてもわかりやすいのだ。
この物語は厳しい自然と直面した人々の勇気と知恵をぞんぶんに伝えてくれる。まるで自分が勇気と知恵で大自然と闘っているかのような興奮を与えてくれる。不謹慎かなと思うけれど、読むときはいつもわくわくしてしまうのだ。
☆面白い、と思ったらここをクリック!☆
オススメポイント:開拓者精神
| 長い冬 | |
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「大草原の小さな家」は大ヒットTVドラマになったので知っている人も多いだろう。
大地を切り開き小麦を蒔き、狩りをし、良い土地を求め幌馬車で西へと移住していく一家。彼らの家族愛と独立心に満ちた開拓者精神は数々の危険や試練を乗り越えていく。
白人と関係が悪くなっていた先住民たちのたくさんの部族が家のすぐそばの川岸に集結し、戦いの準備の宴が夜更けまで響いたこと。とつぜん雲霞のごとく押し寄せてきたいなごの大群が豊作確実と思われた畑をバリバリと食いつくし、作物がばたばたと倒れていくさま。草原を襲う野火の恐怖。日照りによる不作。マラリア。しょう紅熱で視力を失った姉。突然死した息子。自宅の全焼。
思い出すだけでもローラ・インガルスの一生は波乱万丈だ。そして中でも私が大好きなのはこの「長い冬」。ダコタ州のドゥ・スメット(De Smet)は、ローラの両親が放浪の末に安住の地としたところ。払い下げ農地をやっと手に入れたその年の物語である。当時アメリカ政府は土地を開拓し農業で採算を確立することと引換えに、ただ同然の価格で西部の土地を払い下げていたのだ。あるときインディアンができたばかりの小さな町、人口100人ほどのドゥ・スメットにやってきて、カタコトの英語で告げる。今年の冬は大変な長い冬になるだろう。この土地では7年に一度厳しい冬がやってきて、三度目の7年目の冬は特に厳しい。吹雪は7ヶ月続くだろう・・・。
町の人々はその言葉をそれほど深刻視しなかった。7ヶ月の吹雪なんて、きいたこともない。一年の半分以上が冬だなんて、まさか。
ところがその予言は本当だったのだ。
十分に整備されていない町、開拓一年目でたいした収穫もなかった人々、彼らは鉄道で店に仕入れられる物資でこの冬を越すつもりだった。
しかしその鉄道が、止まってしまうのである。雪かきの間もなく繰り返される激しい吹雪で復旧できないのだ。
町から石炭が消え、小麦粉が消えてゆく。人々は飢え寒さに震える。
彼らがそのとき何をしたのか、は私が書くともったいないので物語にゆずるとして、ここでは書き手としてのローラについて触れよう。
ローラは自分の生涯を振り返って自伝的小説「大草原の小さな家」シリーズを書いた。彼女は決して巧みな小説家ではないが、文章から汲み取れるのは、ともかく自分が見たもの聞いたことを伝えようという使命感があったようだ。今読んでもよくわからないものや知らないことがたくさん出てくるのだが、彼女が小説を書いた晩年にも既に、それらの事物はなくなっていたのかもしれない。失われゆくものを語り継ごうと思ったのではないか。つまり、描写に得手不得手があって、へたなくせに一生懸命書いている部分が多くあるのだ。
へたなところ、それは物の構造、からくりの説明だ。私は何回読んでも彼女の説明する、グレースのもらった踊る人形の仕掛けや、父親が鉄道除雪の仕事にでかけるために乗っていった手漕ぎのトロッコの仕組みがわからない。右に行って左に行って左に曲がってまた右、と目印のないまま左右だけで指示される道案内のように、3節くらいで頭の糸がこんがらがってしまうのだ。
「大草原の小さな家」シリーズの日本での出版社は本によって分かれ、「シルバー・レイクのほとりで」、「大きな森の小さな家」、などは福音館、「長い冬」、「この楽しき日々」、などは岩波から出ている。私は岩波の方が好きだ。それは、挿絵が良いためである。挿絵そのものの愛らしさといったら福音館のほうが良い(原版初版の挿絵)。だけれど、岩波の挿絵は、ローラの説明が下手な部分を上手に補うように描かれていて、とてもわかりやすいのだ。
この物語は厳しい自然と直面した人々の勇気と知恵をぞんぶんに伝えてくれる。まるで自分が勇気と知恵で大自然と闘っているかのような興奮を与えてくれる。不謹慎かなと思うけれど、読むときはいつもわくわくしてしまうのだ。
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どうも自分は、偏った読書をしてきたらしい。。。と気づいたのはブログに読書の記録を書き始め、他の方のブログを読むようになってからだ(汗)。そして、偏ったという内容はここで挙げればキリがないのだが(笑)、そのひとつに本書のような異国の世界を描いた物語を読んで
2007/09/03(月) 20:24:36 | ガーベラ・ダイアリー


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